前回のブログでも書いたのですが、リラックスタイムに聴く音楽はPopsがほとんどです。
自分にとってクラシック音楽のアイデンティティは、クラシック音楽を聴くことではなく、演奏することと教えること、この2つだけと思ってます。

若いころからこれではいけない、と思いますが、今の自分にはもう残りがありません。
今必要なことは、音楽の素朴な原型を知りたい。
そこから栄養をもらって音楽を形作っている自分というものを育てたい。
ただ、それだけです。

この曲は、1950年のアメリカでナット・キング・コールが歌って大ヒットしたThat’s allという曲です。
自分、1956年生まれなので同時代性はないですが、これを聴くと心がほっくりとしてなごみます。
亡き母が与えてくれた包み込むような愛情の名残みたいな感情を微かに感じるのです。

クラシックの狭い狭いジャンルに閉じこもって、そのことばかりやっていると、何か人間感情が狭くなる気がします。
偉大な芸術音楽が多くありますが、そういうものに埋没していると、自分を忘れて、何か偉大なものになり替わるような感情があります。
しかし、これがどうもいけないなと思います。

どんな名曲、芸術作品でも、人の心に伝えるものであることを忘れてはいけない。
そういう意味で、自分の音楽を目覚めさせてくれたPopsの音楽も大切にしたいと思います。