(wikipediaから引用)

星の王子さまは地球にやってきて、自分の星で一所懸命育てたバラたちよりももっと素晴らしい多くのバラが育っているのを見て落胆して激しく悲しみます。

自分が丹精込めて育てたバラは、ちっぽけな取るに足らないものだったのか?と。
草に突っ伏して泣きます。

そこにキツネが現れました。
王子さまはキツネに「遊んでほしい」と頼みます。

キツネは仲良くならないと、遊べないよと言いました。
「自分のことを飼いならしてほしい」と言いました。

仲良くなるということは、他の同じようなものよりもずっと時間をかけることによって、何かを見るにつけそれを思い出すようになること、と言いました。
王子様はこの言葉で、自分の星に残してきたバラが自分にとって一番大切なバラだったのだ、と悟ります。

キツネはさらに付け加えました。

砂漠が美しく見えるのは、そのどこかに井戸を隠しているからだよ、と。
砂漠に不時着した飛行士が井戸を探すために大変な労力と時間をかけなければならないが、見つけられればこれほど素晴らしいことはない、という比喩にも思えます。

本当に大切なものは目に見えないという言葉が、ここで出てきます。
L’essentiel est invisible pour les yeux

それ以上のことは書いてありませんが、音楽こそ目に見えないものを探す努力がとても大切なことなのだ、と思いました。
音楽の音そのものは、耳で聞くもので目には見えませんから、目に見えないものを味わうこと、考えること、想像してみることが、砂漠のどこかに隠れている井戸を探す行為なのではないか?と思ったのです。