2年ぶりの開催になりました。
今回は選曲も変化に富み、1時間半あまりのプログラムを飽きないで聴き通せました。

私の反省としては、もう少し選曲基準を細かく規定して選曲してもらえれば良かった、という点。
プログラムの進行が細切れになってしまいました。
出演者も落ち着かなかったのではと、思います。

演奏については、私自身にとって大変勉強になりました。
特に日本の歌は、歌詞とメロディの関係が良くわかりました。
発声については、呼吸法と喉の使い方の相関関係と、下あごに依存しない発音・発声法に関して、改めて自分の指導の方向性に確信を得られました。

出演者の皆さん自身としては、未解決なことや不満などもあったと思います。
次回に課題を持ちこしてリヴェンジするも良し、すっかり忘れて新しい難曲に挑戦しても良いでしょう。
何よりも、まずは楽しんで声楽ライフを送っていただきたいと思っています。

ただし、方向性とその目的だけは見定めて続けてください。
アマチュアですから何年かかっても良いですが、精進しなければ、真の意味での楽しい声楽ライフを楽しむことは出来ないと思います。

さて、今回は撮影した動画を、各自ではなく、前半と後半の2本のyoutube動画にまとめさせてもらいました。
前半と後半の2本に分けましたので、それぞれ動画のリンクをクリックすると、youtubeのサイトの該当動画に飛びます。

そして、動画の下の説明文の箇所にプログラム順に開始時の秒分が表示されていますので、そこをクリックすると、該当プログラムに飛べます。
もちろん、最初から通して聴くも良し、気に入ったプログラムを聴くも良し、自由です。

出演者の動画前半

出演者の動画後半

指導者から一言

TSS

toyoshimasakiko

寂しい森の中で モーツァルト
アレルヤ  モーツァルト
セレナータ トスティ
蜂すずめ ショーソン
我らの愛 フォーレ
日記帳 小林秀雄
歌劇 ジャンニ・スキッキ「私のお父さん」プッチーニ

明るく細い女性的なソプラノの声で、好感が持てるステージでした。
モーツアルトの可愛らしさや、「日記帳」の純粋さが自然に表現されていました。
とはいえ、もう一度基礎の発声と呼吸を見直してください。
そのことによって、メンタルな部分に影響されずにステージ活動が自在に出来るようになると思います。
また、発声の基礎を見直すためのの選曲も、工夫が必要と思います。
これからを期待しています。

HM

haradamiho

あなたが側にいたら J.Sバッハ
歌劇エジプトのジュリオ チェザーレ
「つらい運命に涙はあふれ」ヘンデル
からたちの花 山田耕筰
ロッシーニ 音楽の夕べより「約束」
モーツアルト魔笛 パミーナのアリア「ああ、愛の喜びは消え」

良い声質と恵まれた音程感で、美しい歌声を持っていると思います。
軽やかな高音を持っていますので、幅広い選曲が可能です。ロッシーニの「約束」が明るく美しかったです。
惜しむらくは、全般にブレスが短いです。
これは、発声の研究で必ず改善されます。
その面から見たご自身の発声の有り方を、再確認してください。
そのことで、更に良くなる可能性が拡がると思います。

OM

onikimai

祈り トスティ
歌劇 ティレジアスの乳房
「いいえ、旦那様」 プーランク
お六娘 橋本国彦
歌劇「マノン」
「私、まだぼんやりしているの」
「私、そんなに美しいかしら?」マスネー

フランス語の歌が、ようやくフランス語の歌として理解できるレベルになったと感じました。
また、発声のあり方も、一段レベルアップしたと感じる演奏になりました。
彼女自身の課題に対する進歩という点では、これまでの本番の中でぴか一の出来だったと感じました。
惜しいのは発音と発声の関係です。下あごの使い方に十分注意して、更に歌唱力向上を狙ってください。
歌唱力アップの方法の一つとして、原語と日本語訳両方を声を出して丁寧に読む練習は、とても大事です。