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フォーレについて・・・・その2

フォーレの歌曲は100曲以上あります。どれも素晴らしいですが、一般に中期から後期にかけての作品が良く歌われ、取り上げられます。作品として完成度が高いということでしょう。しかし、初期の作品も実に美しく素晴らしいものです。その代表が「夢の後に・・」という曲です。この初期の作品の特徴は、フランスでそれまで一般に親しまれていた「ロマンス」まあ、イタリアのカンツオーネみたいなものの形式の影響が強かったのですが、この曲では、少し違います。テーマ→テーマからの発展、またテーマに戻って終わる。
という、それまでの単純なロマンスなどの形式から発展して、テーマ→発展→テーマ発展→、中間部→終章などというように、中間部をはさんだシンメトリー構造になっていないのです。これは、詩の形から来る訳です。
ロマンスや、カンツオーネなどは、単純な繰り返しの韻律を持った詩を、何回も繰り返すいわゆる有節歌曲を形作る訳です。詩そのものが歌のために作られている。
しかし、フォーレなどの芸術作曲家は、そういう歌のための詩ではなくて、純粋に詩としてだけ存在するものにメロディーをつけて歌を作ろうとした。
詩人が作る詩が、そのものだけで音楽的存在であるような詩に音楽をつけて更に新しい詩と音楽が融合した芸術を作ろうとした訳です。
これが、Melodie。フランス歌曲です。
このようなものを一般に芸術歌曲といい、歌謡曲とジャンルを分けて考えられるようになったのです。…続く