ドビュッシー

昨年の3月にドビュッシーの音楽がロマン派の音楽と違う点について書きました。
https://www.musicac.org/journals/diferences-of-debussys-music

要約すれば、ロマン派の音楽は個人の感情の発露がストレートに音楽に表現されるが、
ドビュッシーの音楽は、内面感情が五感を通してインプットされた外界現象のスケッチに置き換える傾向がある。
という事だったと思います。

もう少し考えてみると・・・・。
生の感情発露はそこにはないが、五感で感じられる風景描写の様子は、どこか物悲しかったり英雄調に楽し気になったり、
あるいは、そよ吹く微風は生暖かく花の匂いまで感じられてくる・・という具合。
この辺り、20世紀初頭という時代のせいでしょう、医学や生物学の観察や研究による自然科学の真実が明らかになって行く背景を感じたりもします。

ドビュッシー、特に円熟期以降には純粋に音楽的欲望よりも、哲学的な思想を音楽と言う材料で表現しようしたのではないか?と思います。