教える仕事を続けていると、最後に立ちはだかる壁は、教えている生徒が半信半疑でいるのが判ってしまうこと。
ああ、自分が言ったことスルーされてるなと思う瞬間があります。
多分、本人は言ったことを理解できないか、違う方を見てるだけなのだと思います。

声楽レッスンは中学生くらいから始めるのが良いと考えるのは、その年くらいで歌を学びたいと思う子なら、全面的に先生に私淑できると思うからです。

大人になると、自分という全部を投げ出すことが出来ない。
声楽の発声なんて、それくらい徹底しないとなかなか身に付かないものです。

本当の意味で信頼されない、ということだと思います。
それは自分の歌い手としての実力もあるだろうし、名声とか、最後は人間性なのでしょうか。
そういう関係性が見えてしまうと、こちらは正直悲しいです。

生徒がネット上のあちこちのボイトレのブログを読んだり、自分で本番を経験してつかんだり、
という、いわば独学状態をサポートする、サポーターという立ち位置が良いのかな、と思うようになりました。

教えようと思うと、どうも上手く行かないのかもしれません。
よちよち歩きくらいの人を教えるのは出来ても、歩き方を知ってる人に歩き方を変えなさい、という教え方は無理かな?
本人に気づかせること、が第一なのでしょうか。