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ラヴェルの「3羽の美しい天国の鳥」から練習をしました。
声が温まっていないこともありますが、ブレスが浅く声の支えの弱い声になります。
ブレスポイントを、テンポ優先ではなく確実に行って、フレーズを良く響く声で歌ってください。
表現というものを、単なるイメージで処理せず、声の響きを大切にするという意味で歌えばよいです。
つまり、歌声優先ということです。

Vaccaiの9番と10番を練習しました。
イタリアの古典的な音楽スタイルである、リズミカルで優美な音楽です。
声はあくまで、輝かしく良く響く声が要求されます。

今回の発声の課題は、下顎を降ろして低い共鳴を利用して声を出すということから脱して、上顎を利用して高い倍音の良く出る響きを追求しました。
ベースやバリトンは、下あごを降ろすことで、声帯を太く利用して低い倍音を利用した発声をすることが良くあります。
これはキャラクターとしては、ソプラノやテノールには合いません。
また、本来バスやバリトンというキャラクターは作り声ではなく、持ち声としての問題という観点が大切と考えています。

さて、上顎による発声で一番大事なことは、下あごを極力発音に関与させない事です。
つまり、AEIOUという母音形成のために利用しない、ということです。

この練習としては母音のIを利用して、その響きを高く当てること。
喉が上がらないように、顎を引いた姿勢を意識すること。

後、大事なことはフレーズを歌う時に、なるべく下あごを母音発音に使わないようにすることです。
このためには、舌を柔軟にして、発音のためによりよく動かすことが肝要です。

それから、予想外にメリスマの細かい音符の動きが不明瞭になります。
練習法としては、2音だけで良く喉を動かして練習をしてから、3音、4音と音数を増やしていくことです。
喉仏が柔軟に動くかどうか?がこの場合要求されることで、舌が固いと動きが悪くなる、とも言えるでしょう。