HA

彼女の発声の課題は、中低音域で息もれの無いクリアな響きを作ることが大事なことと考えています。
それが出来ると高音の発声も、本物のレッジェロらしいエッジの立ったクリアでピッチの高い響きが完成するでしょう。

今回のレッスンでは、ブレスから声の出し始めでの工夫をしました。
良く言えば自然に柔らかく声のアタックが出来ていますが、まだまだ息漏れが多い声の出し始めです。
その割にはブレスが持つのは、独特の息の使いまわし方が出来ているのだと思います。

ブレスをしっかりお腹で支えて、少しいきむようにして声を出し始めます。
母音Aならッア~という具合です。
一般論で言えば、やり過ぎなのですが、これくらいしないと声帯を閉じるという意味が判らないくらい、息漏れした発声に慣れきっているということです。

これが日本の声楽発声で忌避されるのは、特に若い学生さんが胸声区の声で歌うためです。
いわゆる「黄色い声」でしょう。
彼女の場合はファルセット系の声が強かったことと、その声で長年やってきていますから、胸声発声には明らかにならない、という読みがありました。

今回の発声、気を付けながらトライしてみてください。

ST

モーツアルトのExsultate,Jubilateを練習しました。
半年ほどこの曲を続けていますが、一番の課題は換声点直前の音域で声が当たらない事です。
これは、発声の会得の未熟に起因しますが、原因は喉を痛くする経験があったからでしょう。

基本的にもう一度、声楽のための呼吸法を確認することと、喉の使い方を練習しました。

喉が痛くなるのは、俗に言われる喉が上がるためですが、ではどうやったら喉を上げないで歌えるか?
という部分がとても難しいです。

1.ブレス時に横隔膜で息を吸えていることが、喉を上げないことにつながること。
2、声の出し始めでその状態を崩さない事。
3、フレーズの途中で喉が緩まない事。

以上が条件です。

非常に基本的なことですが、喉を庇わないで思いきって歌うことも大事です。
喉をかばおうとすればするほど、喉を痛くする発声になりやすいものです。

後はゆっくり練習を積み重ねるのみです。