TNA

女性の場合、相当無理に喉に当てる発声をしていない限り、5点Aくらいの声をいきなり出すことは可能です。
この時、どうやっても胸声傾向になってしまう場合はやっかいなことになります。

彼女の場合は、この点はほぼ問題ないわけです。

そこで、このところ皆さんにやっている頭声発声の強化方法をやってみました。
単に5点G~6点Cの間、主には5点Aを中心に発声をします。

声質に気をつけますが、支えのない裏声ではなく、カウンターテナーのように呼気の力による効果を出す声を引き出すことが重要です。

この時、喉に力を入れてはいけません。
あくまで腹筋のコントロールを使う事です。

この発声においても、喉を開ける意識は必要です。
喉を開けないと息が綺麗に流れない声になります。

ただ引き上げと引き下げのバランスが大事なので、声質など指導者の指導が必須です。

この声の練習から引き続き、この声を変えないで低音域に降りて行きます。
4点bくらいから声が太く♭気味の声に代わろうとしますが、これを絶対に換えないようにして発声することに集中します。

これで上手く行くと、芯があるが細くて明るい中低音の声が出来ます。
支えのない裏声でこれをやると、まったくダメです。

この頭声発声の要は、口を開けないこと。
口を開けると、胸声傾向になるか、スカスカになるか?のどちらかだからです。

コンコーネ22番

中低音の響きが落ちないように、跳躍時に高い声が突出しないように注意。

ドビュッシーのBeau soir
これも中低音の響きの高さ、高音発声のままで中低音発声の練習。
5点F♯のBeauは、Bの破裂音で発声するが、腹筋でしっかり支えていないと息が抜けてしまうため、強声が出せなくなります。

ヘンデル Vadoro pupille
中高音の発声は頭声発声側の声から降りた状態のフォームを優先します。
口を開けすぎないで、顎を良く引いた姿勢を大切に。
音域が高いからと言って、喉を下げようとすると声帯が開いた声になります。
これが呼気を多量に消費して、歌っていると苦しくなる原因と思います。

モーツアルト、コジ・ファン・トゥッテ
口を横開きにしないこと。
一見、高い響きに感じるかもしれませんが、これは間違い。
口は横開きにしないで、唇を少し前にそらすように、口先もあまり開けないで、練習した頭声発声のフォームを大事にしてください。