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発声練習は、いつも通り母音のIだと非常に美しいピッチの定まった声の響きだが、A母音になると不安定になる点を練習した。
母音のIとAで、喉の状態がどう違うのか?自身で良くその違いを感じてみることが先決。
母音Aの際に、口を観察してみると分かるが、唇を反らすようにすることと、横開きではなく縦に開けることが大切である。
そのことで、喉が上がらない安定した状態になりやすい。
そのうえで改めて、喉が上がったか上がってないか?ということも、自身の感覚で明快にしておくこと。

曲は、グリークの6つ歌曲から、前半の3曲を練習した。
細かいことは省くが、発声上では喉が高いケースが多いことと、そのことでピッチの問題が伴奏の和音との関係に強く関係する点を指摘した。

ピアノ伴奏部には当然和音があるが、その和音の響きと声との親和性ということを大切にした声の響きを考えたとき、単に良く通る響く声だけでは音楽的な演奏にならないこと。
ピッチが低めの方がよい場合もあるわけだ。
それは、和音の構成上からも言えるが、音楽の表現がそうなっている、つまり感情表現の違いとしても言えるだろう。

彼女の場合、概ね喉が高い発声になることが、伴奏との和音との違和感を生じさせるケースがしばしばある。
また、そのことが中間の換声点における音程のずれを生じさせているケースもある。
いずれにしても、喉が高い発声になっていることが原因。

これは、口の開け方も一因だし、ブレスと声の出しはじめの喉の準備の仕方が大きい。
単純に声の出しはじめを、みぞおちあたりに感じる方法が良いだろう。
そして、歌いだしたら腹筋でその声を支え続けること。

これは喉を開けた発声につながるが、軟口蓋の適度な緊張がないと暗いこもったフラットな声にになりやすい点には気を付けてほしい。