ADY

発声練習では、呼気の強さについて指摘し、練習となった。
単純に息を吐く練習。
息を口蓋垂に直接当てるように吐き出す。
このとき軟口蓋を高く上げる意識にしておく。
つまり鼻腔を閉じる。
鼻腔を閉じることで、口腔内の共鳴が起きやすくなって、息を吐く音が良く聞こえるはず。

この状態で歌声で際限する訳だ。
つまり共鳴が起きるくらいの呼気の強さを意識することと同時に、軟口蓋を高くすることで鼻腔を閉じる。

この2点を良く意識することで、声が良く響く。

それから、5点E♭~5点F♯くらいまでの声域では、軟口蓋を上げて口腔内の共鳴を起こすのではなく、喉下の部分に共鳴をイメージすること。
つまり喉下に声を当てる意識をもつこと。
そのためには、口をあまり大きく開けないで半開きくらいにすること。
そのことで、高音への換声の働きが生じやすくなる。
つまり、声帯の振動が頭声発声が生じやすくなる。

DonizettiのEterno amore e fe、PucciniのO mio babbino caro,Bachのカンタータ149番のアリアGottes Engel weichenの3曲を練習。
以前に比べると、基本的に声の響きが出せる発声になってきたが、高音への換声点の発声でファルセットになる傾向が残っている。
この点を中心に練習した。

換声点の幅は3~4度の幅があるので、上行フレーズで高音に向かう場合、足掛かりになるポイントを自分で感じることが重要。
速めに喉を上げないように意識する必要がある。
しかし、フレーズは高音発声のために声の出し初め、つまりフレーズの最初から高音に向けた構えた発声は禁物である。
中低音は高く軽く出しておくことが、筋肉の余力、息の余力の為にも大事なことなのである。

TM

発声は声を温める程度に。
全体に声のトーンは落ち着いて1オクターブ半の声域で安定している。
発声練習に限っては高音の換声も滑らか。

フォーレの「河のほとりで」を練習。
全体に呼気が強いのか、息漏れ傾向が気になった。
息漏れと言っても、ファルセットという訳ではないが、声量の抑制が効いてないために起こるのではないか?と思われた。

ただ、恐らく弱声を意識すると息漏れが出やすいのではないだろうか?
これは弱声を喉を緩める、と勘違いするから起こることだろう。

弱声は喉を緩めるのではなく、むしろ緊張させる方向に

無意識に大きな声を出してしまうのではなく、意識した適度に抑制された声量で歌うことが余計な喉の動きを抑制する原因になる。
昔から、歌うときに顔の中央を意識させたり、体の真ん中のラインを意識しろ、などと良く言われたのは息をコントロールするイメージ的なやり方なのだ。

声の出し初め、出している間、歌い終わり、というフレーズを単純に3つに分けて、どの要素も明快に意識してフレーズを作るという意識をもつこと。
この出している間には、音程の跳躍や平坦なフレーズ、山あり谷ありという変化があるだろう。
この変化を、一定のフレーズの中でどのように息を配分するか?ということを意識してみること。

発声としてみたとき、全体にブレスが自然に行われているように見えるが、思ったより声の出し初めで喉を構えているように思える。
今一度、ブレスから声の出し初めを意識し、メッザヴォーチェで弾力の感じられる良い声が出せるかどうか?
を研究してみると良いと思う。