SM

伴奏付きのレッスン。

ワーグナーのトリスタンとイゾルデから「愛の死」
前回のリズム読みの課題を良くさらって来てくれたので、音楽が全体にすっきりとその全体像をつかめるまでになった。
まずは今回の試演会への合格圏内に入ったことは慶賀すべき。

その上で今後の課題としてほしいのは、やはり長い音符の扱いとブレスの問題。
吸い方よりも吸った息を歌うフレーズの中でどう保つか?という意識をもう少し明快にすること。
そのためには、声量のコントロールと息の使い方の配分を良く考えること。

特にフレーズ終盤の長い音符がブレスで足りなくなって、そのタイミングですぐに吸ってしまうことで
リズムが崩れてしまうことが、しばしばあるからである。

後はドビュッシーの2曲「物憂い心地」「グリーン」で散見されるのが、高音の声を張りすぎると音程が♭気味になることを注意。
また半音階の音程感も丁寧にきちっと表現するように、常に気を遣ってほしい。

OM

久しぶりであったが、さすがにオペラ養成所に数年通っただけのことはあると思った。

まず以前に比べて声量がついたこと。
また、換声点に課題があったがほぼ解決出来てきていること。

全体にリリックなソプラノの印象が強いが、高音の伸びはかなりありそうである。

今日は別宮貞夫の「淡彩抄」から「春近き日に」山田耕作の「たたえよ、しらべよ、歌いつれよ」
いずれも朗々とリリックに歌い上げる声楽曲らしい作品。
声量は良く出ており、高音もきれいに出せている。

歌曲の表現としては、もう少しMezza voceの声のテクニックを覚えて表現にしてほしいが、
現在の養成所の勉強のこともあり、現在は多くを望まず今後の経験を俟ちたいと思った。

アリアをベッリーニのAh non credea mirartiのアリアとカヴァティーナ。
これも正にオペラ的声量で通してくれたが、技術的には中間部の中高音域を切々と歌うくだりは
、Mezzavoceが望ましい。
これも、今後の研究の成果を俟ちたい。

また彼女の喉としては少し重めの声になっているためか、意外と細かい音符が回らない点が少し気になった。
声量を重視すれば、それは致し方ないだろう。
今後、どういう方向で自分を出していくか?
養成所を出たら、その辺りは問われると思うので、良く考えてキャラクターを決めると良い。