11月28日

SKM

アーンの2曲は、休符ブレスの関係というディテールの修正に留まった。
モーツアルトのケルビーノのアリアも、大変に良く歌えているのだが、軽いソプラノの声からもう一段どう変わるか?という点に及んだ。
子音の扱いと口をもう少し開ける発声をすることという2点が課題になった。
これはレッスン中に実現できたが、近い本番ではあまり意識しないで自然体でやってほしい。
近い将来の課題として残してほしい。

KM

レッスンは当面お休みとなった。

低音の地声領域とその上との換声の段差が強いため、声を切り替えると息漏れが多くブレスが持たないという状態でこちらのレッスンを始めたと思う。
彼女のこれまでのレッスンの進捗を振り返ると、当初は地声を積極的に練習し、その後に声を返した練習に変更した。
返した声にいかに地声を混ぜて行くか?という練習方法として、ハミング→母音という練習や今日行ったI母音を使った練習をしてきたと思う。

今日は、母音をIにしてコンコーネを歌ってみたが、これが以前に比べて良い結果だった。
そこで、Iの発声をAに応用するように練習してみると、これも今までの結果と比べるとはるかに良かった。

発声の改善は年数がかかるのだが、変わりつつある良いタイミングだっただけに大変惜しいと思う。

11月29日

HH

彼女の発声の課題は、息を必要以上に意識してしまうことではないか?
息が流れること、息を吐いていることは発声上でとても重要な要素だが、そのこと自体を意識すると不要なエネルギーを使うことになる。
大事なことはブレスのやり方と、歌う時のお腹周りの状態である。

息の流れかたは、歌うことで自然に生じるという発想をしてほしい。
具体的には、どのように喉が働いているか?が重要。

声の出し始め、声の響く位置、という2点への意識が重要。
これは、次回やって見たいが、息を吐くだけの練習方法でまとめてつかむことが出来るだろう。
トスティの12番、トスティの歌曲から、Rozaと

KGN

試演会で感じたことだが、彼女の歌声の美点は喉に不要な力みがない点が良い。
このことで、換声点の発声を意識せずに5点Aくらいまで、素直にきれいに歌える。

ただし、この5線の上の領域で噴出するような響きの勢いや更に高音へ伸ばすこと。
例えば5点b以上が苦しいとなるとソプラノとしてのレパートリーが限られてくる。 

クレッシェンド~デクレッシェンドという声量のコントロールや、高音域を更に上に伸ばすためには、何となく素直にイメージで出すというわけには行かなくなるだろう。

その点を考えた場合、現状でもかなり声楽を楽しめると思うが、新たなレパートリーの表現を考えると、中低音からの声の再構築と換声点の発声の会得はやって損はないと思う。

MZM

中音域の声は、脱力が良く良い声が出ているのだが、高音の切り替え部分が難しい。
急速に喉が閉まってしまうようである。
前回と同じく、口を開けて行く方法を発声練習で教えた。
フレーズの最高音い行く前の個所で開けておいて、そのまま高音を発声するという、早めの準備。
ハミングの練習から軟口蓋を上げる意識の持ち方。
そして、ブレスの方法も前回に引き続き教えた。
コンコーネ6番、5点Eが換声になる。その前に下あごを降ろしていくように。
シューベルトの「野ばら」Oウムラウトの発音に注意。
「楽に寄す」を譜読み。