MMT

数年ぶりに来た。
彼女は20年くらい前に、レッスンに通っていた方だが、その後家族が出来た関係もありロシアの音楽学校に留学し卒業。
ソプラノレッジェロとしての才能を開花させた。

発声練習をしたが、コロラトゥーラの音域になると、つまり5点hくらいから唇を中に入れるようにして、声を後ろに回すようにうまく換声している。
そこに至るまでは、頭声と胸声のバランスの良い息が良く流れる音楽的な発声が会得できている。

実際の歌は、「夢遊病の女」のアリア。ここでも発声練習で披露してくれた発声がほぼ完ぺきに実現、実行できていた。
感心するのは、細かい音符も息の自然な流れだけで見事に表現できていること。
特に高音域の半音階の下降形が厳密に美しく表現できたのは感心した。

歌曲はプーランクの「偽りの婚約者」から「花」
発音で指摘したのは、鼻母音。Nを付けないで鼻腔に通すようにすること。
舌の使い方があるので、癖を直さないといけないだろう。

それにしても、この曲でも無駄なビブラートがない美しい頭声で、見事に歌の核心を表現できていると感じた。
やはり声楽の表現の要は声である、と実感したレッスンであった。