KT

発声練習では、おとがいや舌に力みが感じられたのでハミングに切り替えた。

最初は口を閉じて奥歯を噛みしめ、おでこで響かせる意識。
つまりペカペカした響きであるが、音程の高い響き。

この感覚を生かしながら、今度は口を開けたハミングに変更。
口を開けても、この響きをなるべく出そうとすることによって、明るいピッチの良い中低音発声が可能になる。

コンコーネは13番。
声と音取に問題はない。
問題はリズムの読みである。
恐らく聞き覚えて歌ってしまうため、本当のリズムが身につかないでいるのではないか?
そのため、途中部分だけを取り出して練習すると、譜読みの問題が露呈してしまう。

大事なことは手で拍節を打ちながら、メロディをリズム通りに歌えるようになる身体感覚である。
これは重要な基礎なので、つまらない練習かもしれないが、必ず譜読みの時に実行してほしい。
声を出して歌うことより大事である。

曲はイタリア古典歌曲集からTu lo sai
これも音は取れているが、リズム読みが難しいようであった。
これも歌う前に、リズム構造を頭で理解し、また体で感じられるまで練習をしてほしい。

発声に関しては、身体感覚感度が高い方なので問題は感じない。
あるいは耳コピだけでも、それなりに歌える曲はあるのだが、恐らくレパートリーが拡がらないと思う。

せっかくの機会に、勿体ないと思うので、少々厳しいが読譜の重要性において、特にリズムの問題点を徹底指導となった。