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発声練習は20分以上かけただろうか?
彼女固有の傾向である、音程感による重い喉を軽くピッチを高くするために時間をかけた。
しかし進歩も感じられたのはお腹の使い方。
発声の出し初めで、思い直したように見えたフォームの変化で声が俄然響いていたからだ。

ただ舌が邪魔しているような気がしてならない。
どうしても声が暗くピッチが低めになる傾向が強い。

思い切って声のアタックを胸に当てて、反射で高いピッチが出るような方法を取ってみたのは、実際の曲の中である。
魔笛の夜の女王のアリアである。

これが意外な程良く、喉の無駄な力みが取れて、かえって換声点近辺の声が良くなり中低音もふっくらした良い声になった。
更に高音は、自然に換声するのでまったく問題ない。

問題は換声点直前が続くようなフレーズ。
口を開けて(下あごを降ろして)という発声が必用になる。

ブレスと口を開ける発声は、課題として持ち続けてほしい。