TZM

弾き語りのレッスン。
クルト・ワイルのYoukaliという曲は、ハバネラのリズムでいかにも1930年代風の退廃の匂いがする曲。
特徴的な16分音符が並ぶ譜割を、ジャズボーカル風に崩すとフランス語の歌詞がどうも座りが悪い。

ここは崩さないできっちり歌う方がフランス語歌詞のオリジナリティが活きて良い演奏になる。
弾き語りの方やクラブ歌手の方は、音符を崩して付点をつけて後打ち風に歌う方が多いのだが、
これがどうも英語風、ジャズ風で、シャンソンやヨーロピアンポップスの姿に合わない感じ。
語感の問題。

これを以前から何度か指摘しててき、ようやく治ってくれた。
弾き語りであれジャズであれ、Popsであれ声楽であれ、基本はIn tempoであろう。

同じくクルト・ワイルのMy ship
これも初耳だが、ノスタルジックな気持ちの良い曲。
こういう気持ちの良い曲は、歌う人が気持ちよくならない方が良い。
より客観的に自分がこの曲を歌う立ち位置みたいなものを、語りの中に込めてクールに歌うべき。
もちろん歌詞が明瞭に聞こえなければいけない。

後はペチカと白い想い出、いずれも日本の作品。テンポも工夫が出来、歌の調子も良かった。
日本語は母語だから、イメージを十分養って彼女のオリジナルな歌が醸成されることを期待したい。

Moon river
演奏を聴いて、どうも座りが悪いなと感じたので、これも3拍子なのでIn tempoを指摘したら、とても良かった。
やはり基本はIn tempoである、と強く感じた。

どの曲も、歌声はミックスした音域の歌声が艶やかで滑らかになった。
高音も無理なく出せている。音程も良い。
地声に変わる辺りの声は、響きを出し過ぎないように歌詞の意味を良く感じたニュアンスを大事にしてほしい。