Lesson note

レッスンノート

きのしたさん。ハミングで始めた。ハミングは喉を楽にそして、体を楽にしポジションが上ずらないような体勢を作るのに最適だ。響きを高く当てようとか、息を出そうとか余計なことは考えずに、むしろ声帯そのものに集中する方が良い。単なる声帯とその周辺のウォーミングアップ程度に考えてほしい。次にハミングから、軟口蓋を上げる練習。ｎｇａ．．となる。この練習は、軟口蓋を上げるためにとても大切な練習だ。口を開けてハミングが出来ないと、練習にならないのだが慣れないと口を開けたハミングが出来ない。彼女は、喉を開けるのが得意なのだけど、軟口蓋を上げることがもう一つ得意ではないから、この口開けハミングをぜひ覚えてほしい。母音の練習でもやはり、喉の開きが良いのだがその分響きが太過ぎる。なぜ、この点をしつくく指摘するか？というと、ソプラノだからである。それと、気をつけないと響きが低く聞こえるし実際音程が低くなり勝ちである。あごを使わずに発声する練習、指をくわえて歌う練習は良くやってほしい。高い響き、２点Ｄ～Ｇくらいは、とても良い響きが出ている。それだけに、その響きをそのまま低い方に持って行けるように喉の開き過ぎに注意。喉を開く場合は、上の響きを保っておいて、下顎を下げて喉を開くようにすべきである。曲はヘンデルのメサイアから。低い方で喉を開いてしっかり出すのではなく、低い方は軽くそして、高音に向けて昇って行くだけ喉を開いていくようなスタンスの方が良い。それから、発音。喉を開くためにとレガートに歌うことを重んずるあまり、子音を使わないできちんと発音せずにフガフガしてしまう。これはやり過ぎだ。喉の開きは充分だから、今からは、きちんと発音することを大事にしてほしい。そのことで、フレーズの音楽的な意味合いがしっかりと出てくるし、返って声のためにも良い。響きのレガートを出し過ぎることで、音程も上ずったりする。合唱なわけだし、その点をやり過ぎないように。発音のタイミングなどで、リズム的な面でも他人と合わせ易いし他人も合わせ易くなる。そして、そのためには、口先を空けすぎずに指をくわえて発音をしっかりしながら歌うことが、とても良い練習になるそうやることで、喉が開けるのならそれが一番良いのだ。喋り声も良く響くし、良いを持っているからこれからは発音にもこだわって、そういう意味でも良い歌を歌ってほしい。みこしばさん。発声はハミングから始めて、次にきのしたさんと同様に、ｎｇａの練習。軟口蓋を上げることの練習だ。これは、彼の場合あまり高い音域まで上がらずに狭い範囲に止めた。ｎｇａの練習では、母音になった際に頭の中で響くようなイメージを持ってほしい。ン～からアの母音に変える際に、下顎を絶対に動かしてはいけない。動かしてしまうことで、軟口蓋が動かなくなってしまう。というか、動くための筋肉を働かせられなくなってしまうからだ。それと、母音の響きは頭の中に響かせる感じ。以上の発声を正しく行うためには、声を出す瞬間に絶対に顔を動かしてはならない。特にあごが出ないように。彼は、あごが前に出てしまうために、喉っぽい響きのない声になってしまう。特に高音になる際にそうだ。今日は、最後にファルセットの練習をした。とはいっても、単にファルセットを出すだけ。気をつけてほしいのは、ファルセットで出す際にも上記のことは意識してほしい。顔を動かさない。あごを出さない。それは、喉を開いてほしいからだ。ファルセットで高音を出す際は特に喉が上がらないように、一気に吐くように、胸の上、首の付け根の窪み当たりに行きを思い切り当てるように、ファルセットの声を当てる感じが良い。高音は、絶対に逡巡して出してはいけない。以上練習をしてから、コンコーネの３番をやった。ファルセットを交えて、歌ってみた。ファルセットが大事なのは、声を重く使わずに繊細に声帯を使えるようになること、声を出すためには息が必要であることを身体で覚えるためである。特に男性は、普通の音域がファルセットを使わなくても出せてしまうために息を吐くことで声が出るという声楽でとても大事なことが、なかなか会得できないまま、喉声でやっつけてしまいがちだ。このファルセットで練習していくことは根気が要ることだが、将来を重んじればとても大事なことなので、忍耐を持って続けてほしい。特に彼のように高音が出せる可能性がある人はファルセットの練習を厭わないでやってほしい。サティのＣｈａｎｓｏｎｄｕｃｈａｔをやりたい、といって持ってきたので歌ってもらった。が、譜読みがまだまだ不完全だ。手などを一緒に使ったリズム読み、ファルセットで息をきちっと流して歌える体勢での譜読みの段階まできちっと出来てほしい。その上で、声のこと、音楽的なことに進める。ＣＤなどを聞いただけで、歌えそうに思うがそれほど簡単ではないことを知ってほしい。

戻る