レッスンノート

夏休みも終わって8月初めてのレッスン。 ちょっと耳がおかしいような感じがしたレッスンだった。。。 さわださん。 発声でいつものように声がすかすかする。特にフレーズの終わりが 抜けてしまうようだ。これは上向形の時。 最後まできちっと声を当てる。声帯を合わせる意識をもう一度 きちんと持つこと。特に中音部。高音部はまた鳴り方が違うから 中音部の合わせ方とは違うことは分かるはずだ。 彼女はとてもまじめに忠実に、ぼくの言ったことを守ってくれるが ややもすると、固定的になってしまう。 例えば口の使い方。 上向形の時に、上に上がるとあごを開くのは、喉を開くためもあるが そのあごの使い方が固定的で逆にあごに力が入り過ぎてしまう。 それならば、むしろ開かない方が良いのだ。 あごの使い方は難しい。要するに声の出方と相談しながら 自然に使えるようになってほしい。 喉は締まり過ぎても良くないが、開き過ぎても良くない。 全てにおいて、声の状態と相談しながら自分なりのベストバランスを 探せるように、頭を使ってほしい。今のさわださんなら出来るだろう。 曲は以前に他の生徒がやった、モーツアルトの「フィガロの結婚」から 伯爵夫人のPorgi amor.. これが、嬉しいくらい彼女の声にはピッタリだった。 とても品格のある良い演奏が出来そうだ。 2点Fから始るクレッシェンドのメゾピアノの声がとても きれいに喉の開いた声で出してくれた。。 モーツアルトの作品は声の質のノーブルさというものがすごく 要求される。それは、とても器楽的で端正な音楽だから。 ロココ時代の芸術華やかさと端正さを歌でも表さなければならない。 具体的に言えば、絶対に浅くなる響きを避けること、声帯がきれいに 合った、明るくてかつ深みのある声を器楽的に扱えるテクニックを 見に付けてほしい。 この曲では、いや、すべてそうだが、彼女の場合高音のイの母音が 浅く狭くなってしまう。また、エの母音も同じ傾向にある。 両者とも高音ではなるべく開いたポジションを心がけてほしい。 また、声を押さえることによって、喉が高くなってしまわないように むしろ、声を押さえるときほどポジションが深くなるように心がけてほしい。 モーツアルトがとても良いので、今度はドンジョヴァンニからドンナ・エルヴィラ のアリアに挑戦してもらう。難曲だがどうだろう?楽しみだ!




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