レッスンノート

早いもので、レッスンノートを書き出してから2年あまりになる。 夏に始めたから良く覚えている。 独りで過ごす終戦記念日。これもいつものことのようだ。 夏は独りでも、自然の生命力に支えられて、毎日何だか優雅な気持ちに なれる。 で、きょうはあめくさんが来た。 発声はやはり中低音で声の響きが少し潜ってしまうことを矯正する 練習から始めた。下あごを下げないこと、頬を上げること、 喉は、感覚的にはやや喉が上がり気味に感じても、今は良いと思う。 そのことよりも、喉あるいはその周辺が自由な状態であること、 そして、声帯をなるべくきちっと合わせることが意識できれば良いだろう。 発声をするうちに、どうも声のエネルギーが心もとないので お腹の使い方をやってみた。 お腹も、前下腹を中に入れ、横隔膜を上に上げるようにすることと もう一つ、腰を後ろに張り出すように、あるいはそのために、側腹を 貼るような使い方も、声の支えになって、エネルギーを集中し易い。 この使い分けは、フレーズの形、あるいは声の出し始めなのか、 あるいは、オクターブ跳躍するのか?音程差がないのか? などによって、使い分ける必要がある。 実際、モーツアルトのAgnus deiを例に取れば、彼女の場合 出だしの低い、1点Fが決まりにくいのは、先の声帯が合わないのと 声が潜ってしまうことと共に、お腹をしっかり使わず、タイミングが 取り難いことがあるだろう。 この場合は、なるべく下腹をきちんと使うと良いと思う。 今はあまり、音量を気にせずむしろしっかり声を出す方向で 音楽を作ってほしい。 高音部のフレーズも、もっともっと高く広げるように、あるいは 口からものをしっかり吐き出すように声を出すことを心がけてほしい。 同時に、必ず息と共に声が頭部にあるいは上顎に通っている感覚が ほしい。細かいパッセージになると、特にこれをやっているかいないか? が目立つ。声だけで当てていると、息が止まって、いわゆる棒歌いになり 音程が下がるし、声も当たらずに伸びないのだ。 慣れるまでは、母音にHをつけて、ハハハハという風に息を一緒に 出すことを心がけてほしい。これは、高音域のこと。 レッスン後半にもなると、大分テンションも上がって、良い歌が 歌えるようになる。 声はテクニックでもあるけど、表現としてみても日常的な ものではないのだから、歌を歌うこと、特にクラシックの声楽の 世界の大きさ、非日常性、表現のスタイルなどそろそろ興味と 意識を高めてほしい。


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