レッスンノート

まっさらな、レッスンノートに変った。 9月だ。11月にはまた発表会がある。そろそろ 発表会に出る人は、本腰を入れて勉強してほしい。 こぬまさん。 発声では、最初はスカスカと声が抜けていた。 腰の使い方は今日はあまり注意せず、声帯の閉め具合を 主に練習した。 彼女は、喉を開いて声帯の一部で楽に声を出す傾向がある。 その原因は、喉を使わないようにする、という意識が生んだものか 何なのかは分からない。いずれにしても、中低音の声は早くから 声をチェンジし過ぎている、、という印象である。2点Fくらいからの 一番高いチェンジ(パッサジョ)の声が中音部でも出てしまい勝ちである。 喉を開くために、あごを前に出して喉を、あるいは喉周辺を 楽な状態にしている傾向が見て取れる。 全体に、声帯をしっかり閉めて良い状態で響かせる姿勢、口の使い方 母音の響かせ方を探してほしい。 弦楽器の弦のコマをきちっと締めて弦をきちんと張るのと同じ考えだと 思ってほしい。 あごはなるべく前に出ないように、壁に首の後ろもつくような感じ。 下顎はあまり降ろさない方が良いだろう。 腰、お腹の使い方は前回やったから良いとして、声帯の合わせ方は 基本でイの母音から作っていくと良いだろう。 彼女のイの響きはとても良いから。なるべく響きが変らないように エそしてアに変えていく練習をした。 どの母音でも上顎の硬口蓋(上歯の後ろ上辺り)に声が当たるような感じだと思う。 それと、アに変るときに喉が上がる傾向があるのはなぜだろう? この喉の上がりを押さえる意味でも、あごの引きは大事だ。 あるいは、朝顔の花びら、ラッパの朝顔部分のよううに、唇を 外に反らすことでも、喉が下がる。 ブレスだが、胸で吸う傾向がある。お腹を使うのなら、それを少し緩めて やれば、自然に入る、というブレス。あるいは、お腹や腰の緊張をそのままで、少し 側腹を開くことでも自然に入る。こういうお腹の筋肉で息の方から勝手に 中に入ってくるようなブレスを心がけてほしい。胸を使ってしまうと 喉も上がるし、横隔膜も高くなり、お腹を使う筋肉が使いにくくなるはずだ。。 レッスンの最後では大分安定した中低音部の声になった。 くれぐれも注意してほしいのは、声の原形、その出し方、と 響きのリファインを同時に習得しようとしないことである。 響きを高くすることに注意が行くと、今度はポジションが高くなり 声のしっかり感が出せなくなる。声の原形を作ること、お腹や腰を 使うことに集中すると、響きは少し落ちることもある。 音程も少し低いこともある。 良い音程や響きの高さは、声の当て方の問題、あるいは軟口蓋の 意識として、個別に練習した方が良いだろう。 みこしばさん エの母音でしばらく発声練習。 声を当てる瞬間の腰の意識を忘れずに。 それから、音程が悪い。特に下降形の最後の方の音が 全然音程が合わないのは、なぜだろう? 喉を開いていくように、下に下がるにつれてあごを開いて行くことで 音程も落ち着くようだ。 ただし、声の当て始めは逆に口を開けないポジションの方が 音程も辺り具合も良い。 お腹は、声の出し始めだけではなく、声を出し終わるまでしっかりと 支えておくべきである。 声の出し初めには、ブレス事にお腹を開いておくことと同時に 喉軟口蓋も開いておくこと。これは、あくびの状態である。 要するに体の中を筒がどんと入って、その中で声を出している感じ。 彼は特に低音で喉がまったく開かない傾向にある。 低音では特に喉を開くこと、そのために胸や首喉周辺の リラックスが大切である。 ただ、あまり低音が出る方ではないので、あるいは低音は開かずに 高音を伸ばす練習に時間を費やす方が、効率が良いのではないかな、、 という気もする。 曲は、コンコーネの3番と、サティのMarienbad コンコーネではブレス時の体の開き、喉の開きをきちっと 準備して声を出すことを大事にしなければならない。 声が簡単に出てしまうことが、逆に良くないのだ。 サティも同じ。まずは、声を出すための準備状態に、注意を 払えることが最重要課題だろう。 まえもとさん。 発声では、ブレスを胸で取ってしまう傾向がある。 お腹を緩めることで自然に息が入ってくるような お腹を使ったブレスを練習してほしい。 声は全般に軽くなったけど、まだお腹の辺りに力が 入って、声の終わりに微妙な揺れが残る癖がある。 声に力を入れようとすると、その傾向は大きくなる。 腰、あるいは側腹を張るように、そのために、前下腹を 中に入れていくような、使い方が良い。 後、高音、特に2点Fくらいから上の声が少し喉っぽくなる。 どうも、喉に力が入るようだ。 高い声は、喉は楽にしておいてよりも、軟口蓋で当てる感じが つかめると、もっと楽になると思う。そのためには、あごを引いて 喉がゆるゆるでない状態にする姿勢が大事だ。 曲は、Take it on the chinから。 全般に低い音域で、声がこもり勝ち。力を入れてしまうと 声も揺れてこもってしまう。 喉は楽にして、声帯を軽く合わせて鳴らすような感じにすると 明るく、歌詞も明瞭になると思う。 曲のシチュエーション、歌う人物の置かれた状況、その人物が 言葉に込める気持ち、などなどをまえもとさんが、自分の経験の 引き出しの中から出せるだけ出して、オープンしてほしい。 いくらやっても、足りないくらい思い切り出してほしい。 次の「私だけに」も同じだ。 歌う立場の基本的な感情のありかはどこか?どんな感情で歌っているか? をまず押さえて、そのことを外に伝えるようにする。 歌の練習よりも、むしろ歌詞の朗読、歌詞の読み込み、芝居のイメージを なるべく具体的にはっきりとつかんでほしい。それだけで、この曲を 歌う意味がはっきりしてくるだろう。 なかがわさん。 発声を一通りやって、感じたことは、中低音の時に口が中に入って どうも声がこもる傾向にある。声が中に入ってしまう、、といったら良いだろうか。 唇を外に反らすように、声を前に押し出すような感じが良い。 それと、腰、側腹の筋力が弱い。 ブレス事に、やや開いてそこから更にフレージングに合わせて 腰を張るように声を出すことを忘れないでほしい。 腰や腹の使い方は、ちょうど重い荷物を持つようにしっかりと してほしい。これだけでも練習は出来る。 息を吐くことと同時にやってほしい。 その結果、副産物だけど、ブレスが吐いたことによって、自然に 入るようなブレスも大事だ。 ブレスも、相変わらず胸で吸っている。これが、声のポジションの 高さというか、力のこもらない声にしてしまう原因だ。 声を出す際にお腹に緊張を与える、その反動で、緩めることで 息が自然に入るようなブレス。喉や胸は自然に何もせずに、この側腹や 腰の筋肉を自在に使って息を吐いたり吸ったり出来るようになる。 これは、普段でも声を出さずに練習できるからやってごらん。 曲は、AlbinoniのAmore perduto..バロックの有名な曲だ。 この曲も、後でやるカタラーニのEbben nVandro lontanaも いずれもイタリアらしい曲。悲劇的で勇壮な旋律だ。 イタリア語のリズムが長音譜の使い方に特徴的だ。 この長音符をイタリア語のアクセントに合わせて、しっかりと 投げるように声を出してほしい。 オの母音が暗くなるので、唇を反らせてかつ広く明るく出してほしい。 声に関しては、今日の発声でやったことを充分出来ないと、表現に 結びつかない。そういう意味で、発声の重要性だけで歌える曲と言える。 結論、発声が大事である。 歌わなくても良いので、今日やったお腹、腰の使い方による息を 吐くこと、そしてブレスを練習してほしい。 よしおかさん。 今日の発声は、いつもに比べ少ししっかりしてきた。 ただ、音程が下がる時とか、特に中音部でやや上ずる傾向がある。 喉に当ててはいけない、と思って高く当てているのだろうか? 腰は使えているようだが、これは、多分声を出すポイントが高いのだと 思う。中低音は声帯自体が振動するから、そのことを避けないでしっかりと 腰から響かせれば上ずることはないはずだが、、 アの母音よりも、あいまいなウくらいでやると、喉の辺りの 固さが取れてより良い感じもある。 そして、2点Fくらいから上の声は、そのまま上がるとチェンジして 薄い細い声になってしまうので、下顎を下げて喉をしっかり開いて 出すこと。これは、声を出すタイミングよりも微妙に前に開かないと 意味がない。腰をしっかり開くことはもちろんだ。 これらの動作をやり易くするためには、慣れるまで、胸を開くよりも 背中を開くために、腰をやや前折れ気味にして、背中にしょった荷物を 下がらないように腰で支えるような姿勢が良い。 これで、声自体はかなりしっかり出せるはずだ。 声の響きも大分ついてきたと思う。適度に口を開けば、中間くらいで 共鳴のついた声の響きが大分聞こえるようになった。 曲は、モーツアルトのAn chloeから。 これは、単語の終わりの子音をきちっとすること。そのことで、 ブレスも自然に出来るはずだ。子音をしっかり言うことで、残った息を 吐き出し易いからだ。最後のAber selig..の高いAsの声は、その前の ブレスで腰をしっかり支え、早めに口を良く開いて喉を開いて声を 当ててほしい。高い声から低い声に降りるフレーズでは、しっかりと お腹を開くことを維持していれば、自然に低音まで無理なく楽に降りて 出して問題ない。フィガロの結婚のスザンナのアリアを譜読み、 シューマンのくるみの木を譜読みした。くるみの木はとても良さそうだ。




戻る