レッスンノート

なかがわさん 発声では、喉を開けることに徹して練習した。 彼女は、喉が高いので喉を良く開き、声帯全体をしっかり使わないと 中低音が上ずり、子供のような声になってしまう。 それでも、以前に比べるとずいぶんとしっかりしてきた。 後もう少しというところで、もう一つ安定性に欠ける。 それは、口、それも下顎が楽に降りない傾向にある。 喉を楽に開き声を出すためには、下あごがだら〜んと下がってほしい。 どうも、声を中に入れてしまうように、下唇も中に入ってしまうのは なぜだろう?前に、あくびの状態を教えてそれのせいだろうか? だとしたら、あくびよりも、とにかく下顎をだら〜んと下げる、 声を出すときにその状態が出来ているように、少し気をつけてみてほしい。 声を当てる場所も、胸が良い。 力まずに、いかにも「俺に任せておけ!」と手を胸にパ〜ンと 叩くような感じが良い。 これは、要するに自身たっぷりなポーズといえるし、堂々と 物事を主張するポーズとも言えるだろう。 胸声が日本人(特に女性)にもっとも苦手な声の出し方であるのは、 音域のせいではなく、声出す文化的な特性があるからだ、と思っている。 今回の彼女の選曲WAmor perdutoWWLa wallyWは、実はこの胸声がキチット出来ていないと、 良い表現につながらない曲だった。 イタリアらしい、悲劇的な自己主張たっぷりな、勇壮な曲である。 日本女性が、こういう勇壮さを出すのは、本当に難しい。 逆に言えば、彼女が一番苦手な声の使い方を要求する曲だから 勉強になるのだ。 なので、実際、どうなるか?と思ったが、彼女はなかなか良く やっている。 まだ、不安定だが、良く理解していると思う。 発表会まであと一ヶ月なので、後は暗譜を完璧にすることが先決だ。 そのことで、声にも良い影響が出るだろう。




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