レッスンノート

さぶりさん 発声は、最初から比較的押さない良い意味でやや軽目の感じがしていた。 高い方はどうか?と良く聴いていれば、今までで一番良く出来ていたと思った。 押さないために、無理がない。喉に来ないで出せていた。 いつもは、1点Esくらいで喉に来て駄目になっていたのが、 Eまでちゃんとしていた。5度のスケールでも1点Fまで出せた。 というわけで、かつてのことを考えると進歩の跡が伺えるように なったと感じた。 曲は、プーランクのト長調のミサ。 バスの下パート。彼には重いのでは、と思ったが、こなしていた。 譜読みが不完全なので一緒に譜読みしながら、プーランクらしい ミサのデザインぶりにあらためて、感激! ホザンナの言葉がこのように歌われるプーランクの天才には脱帽である。 おそらく現代の作曲家でこれほど(このような)のカトリックの宗教曲を作った 作家は彼一人だろう。絵でいうと、ミロやピカソの骨太な大胆な筆使いを 思わせる旋律作法である。力強い。 さぶりさんの声だけど、あらためてバスらしいバスの音域を歌わせると 彼の声がやや浮つき気味であることが良く分かる。 音程が上ずるのである。というのも、この曲のバスの音域は 正真正銘バスで大事な音域であり、男声の声域の中でも完全な 胸声の領域であるからだ。 響きを上げよう上げようとすると、基本的な基音そのものの音程が 上ずってしまう。 響きは上げようと意識せず、自動的に響きは上に行くと考えていた ほうが今は良いと思う。軟口蓋がきちんと開いていれば息に乗って 響きは自然に上に行くから心配することはない。 もし、音程が下がる、あるいは棒歌いになってしまうのは、 息が止まって声帯を鳴らすだけに留まっているからである。 声を当てるのであれば、楽に胸にポ〜ンとあたっくすること。 最低音のFやEを出すときは、喉を良く開き完全に声帯の下を狙って 当てるようにしたほうが出易いはずである。 声と言うのはひとつの響きにまとめるだけではなく、声域に応じた 声の出し具合に敏感であることも必要だ、と考えている。 そのことで、器楽的に広い音域を歌いこなせるようになる、と思う。 ちばはらさん 発声を始めたが、今日はまったく駄目であった。 かなり低い音域からもう喉が上がってしまい、駄目だった。 もう一度最初からやり直しか、と思い暗澹たる思いになりかけたが 気を取り直して、ファルセットで練習を始めたが、それでも まだ喉に力が入る。 何度か自分が手本を示しながら、喉ではなく息の回ったファルセットを 出すように練習。 3回に一度くらい、何とか出来るようになった。 その調子で、曲を歌ってみた。 イタリア古典歌曲集から、アマリッリを言葉をつけずにLalaでやる。 高声用でやるが、それでも比較的音域が低いために、ファルセット一歩 手前の実声で歌ってしまう。 そのため、1ページ行くとすでに喉が上がってしまう傾向になった。 そのため、もう一度息でファルセットを出す練習。 うまく行く時は、喉によりかからず息の流れで音符を歌い進む 感じになれるはずである。 喉の問題とは別に譜読みの根本そのものが、間違っているのではないか? 音符の連なりを一塊の連続線と考え、それを息でつないで行くように すること。例えばドーレードという2度の進行だけで良いから 音符を当てるのではなく、息でつないで行けるように練習する、という 基本の基本からもう一度やり直しである。 今後だけど、合唱団の合同練習以外では、ファルセットを息で 流す練習だけで、通してみてほしい。 少なくも、今日出来たことを次回来たときにすぐに実行できる 程度には練習を続けてほしい。




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