レッスンノート
さぶりさん
発声は、軽く下降形と上向形。
下降形の方が、比較的高音が良い響きだった。
1点D〜Esがいつになく、良い響きだった。
彼の癖だけど、声の出始めで、声帯を当て過ぎる癖があり
それがどうも気になる。ややノンシャランな印象。
例えば5度スケールで上がって最初の音に降りた時の声は
とても良い響きになっているわけだ。
最初からその響きで始められれば言う事はない。
ただ、声は概ね良い響きになってきている。
気を抜かないで常に良い声、良い響きを求めてほしい。
今日は珍しくグレゴリオ聖歌を持ってきた。
コンサートで歌うらしい。
5線譜の現代譜に直した物だった。
本当は4線のネウマ譜の方が、歌い易いと思う。
慣れるのに時間がかかるが、こちらのほうがグレゴリを歌うのは
合理的である。
それは、フレージングがそのまま楽譜に表れているからである。
楽譜と言うのは、当然ビジュアルなものであり、目から入った
情報を音として声に出す。
この目から入った情報というのが、曲者で、これのせいで
音楽を演奏する部分で間違える事が多い。
覚えてほしい事は、上向形のフレーズを歌う際に、重力の法則と同じで、上がる際には
エネルギーが要るから、下の響きを出しながら上に息を上げるエネルギーと言う事を忘れない事。これは、専門語でアルシスなどという。
一種の緊張である。そして、下降の際、特にラテン語の語尾に当たるところは、緊張が
解かれていくように、テージスなどという。
このように、アルシスとテージスが組み合わさっていることを
よく見てほしい。
同度の音が並ぶ時、言葉の譜割りをよく見てラテン語のアクセントではない
ところであれば、当然先にどんどん進んで行くことである。
2度の上がり下がりの音形が良く出てくるが、これもアルシス〜テージス
の組み合わせである事が多い。
要するにフレージングをくれぐれも大事にしてほしい。
現代譜に直したらなおのこと、内在する大きなリズム感と
フレージング、それも言葉のアクセントや意味、感動とつながった
フレージングを大事にしてほしい。そのことで、グレゴリオの妙味が
味わえるようになるだろう。
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