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発声練習は、中低音中心で胸声の開発を主眼にした。
声が温まらないと、上手く行かない、という面もある。

話したのは、かつてモラーヌが良く言っっていた「胸声は声の響きのオリジナル」ということ。
この解釈は難しいが、最近思うのは、声楽発声の根本、と考えれば良いのだろう。
例えば頭声は、胸声区の発声がしっかりしていないのに、良い頭声の開発は望めないのではないか?
という意味と解釈するようになった。

曲はサンサーンスのパリザティス。
以前に比べると、超高音から低音までのフレーズで、中低音に降りても不安定ではなくなったこと。
それから高音に膨らみ感が出て、微妙にビブラートが付いてきたことが、進歩と思われた。
まだ100発100中とは行かないが、更に安定出来るようになってもらいたい。
後は、この曲では、鳥の鳴き声を模しているわけだから、テンポ感をもったりさせないで、素早く歌うことから
ゆっくりへという緩急や、ゆっくりしたフレーズの声質の滑らかさなど、更にクオリティを上げて欲しい。

最後に、ドビュッシーの詩による「夢」を練習。
といっても今回は歌わず、朗読の練習を徹底した。
まず日本語の訳を読んで、文節を良く認識。その上で、フランス語の文節や、冠詞+単語、などの塊を見つけて、
一息で語ることや、形容詞のニュアンスを大切に、ということを、1節だけ練習して、他に敷衍してみた。
自宅でも良く練習して頂きたい。