10、うなじで歌う

当たり前に考えれば声は口から出て行くわけで、そう考えれば顔の前面を意識するのが普通だと思います。
また、日本語の発音事態も一般に喉の開きが狭く、口の先を開いて声を前に出すので、声楽の発声になってもどうしても喉を開かずに口先で「がなる」歌い方が良く見られます。
この状態は、声帯の周囲を狭め、声帯自体も潰れた状態ですので声としても伸びのないまた平べったい聞き苦しい声です。発想の転換が必要です。口がうなじに付いていると思って下さい。首の後ろの張りをしっかり持ってややあごをひいて下さい。そのために、後頭部の上の方が上から引っ張られているような気持ちになるのです。必然的に胸が張られ姿勢が良くなります。
また、「あごが上がっている」という表現がありますが
まさに、声楽の発声でも悪い典型です。あごが上がるとしても、声帯を浮かせてわざと軽い声を出す時以外はあごが上がらないようにした方が良いです。そして、発音の際に口をパクパクとさせずに発音を処理するためには、下唇をうまく使って子音や母音の処理をするのです。言うは易く行うは難し!
とにかく、上半身をぐらぐらさせずに声をうなじに当てるように集中して発声練習をして見て下さい。

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