13、腹式呼吸の構造

一回目で簡単に腹式呼吸について書きました。今回もう一度取り上げたのは、なぜ腹式呼吸と声が関係あるのか?と言う問題について考えるためです。
まず腹式呼吸とは、横隔膜を下げることによる肺呼吸運動を活性させるやりかたです、それに対して胸式呼吸と言いますが、これは、肋骨を上下させて肺呼吸を促す方法です。
元来女性は、肺呼吸が自然に行われるようです。それは、妊娠時に子宮を圧迫しないようにするためではないかと思います。左の図は腹式呼吸の図を描いています。見て分かる通り横隔膜といういわば隔壁が肺と肺から下の部分を分けているのですが、この横隔膜をコントロールすることにより、肺の膨らみを下方に促してやるわけです。この横隔膜をコントロールする一番簡単なやりかたは、息を吸う時に胸を使わずに下腹部を少し引っ込めるようにしてやることにより、自然と側腹部が横方向に広がります。このことにより横隔膜が水平に伸ばされることにより開き、下方に下がるのです。いわば、糸を取った弓の端をもって横に引っ張ってやれば、弓形が真っ直ぐになることと同じ原理です。
人間の身体でこれを行うために、下腹部を少し引っ込めることそして側腹部を開く、また腰の筋肉をふくらませるように意識して見て下さい。いずれにしても、呼吸をする運動と合わせて行わないと意味がありません。
難しい場合は、最初は胸を上げないで呼吸するだけでも良いのです。

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