レッスンを通して、声楽の本当の面白さを伝えたい。

ビロードのように滑らかな声、糸のように細く高い声、金管楽器のような高らかに響く声。
かすかな音色のリュートを伴奏に歌うマドリガーレや、ピアノやチェンバロとアンサンブルする美しい声が醸し出す優雅な音楽。

声楽は、クラシックジャンルを主なレパートリーとする、声による音楽です。アトリエムジカCのレッスンでは、声を楽器に仕立てながら、歌唱力を育てるための個人レッスンを主に行っています。
声楽のレッスンの面白さとは、声を楽器に仕立て上げ、あたかもバイオリンやフルートなどの楽器を演奏するように歌えるようになる過程を経て、コンサートに実際に出演し腕試しをすることでしょう。kitousan

ところで、私たちは、誰もがふつうに歌える能力は持っています。 声楽の特徴は、このふつうに歌える能力の中に秘められた、歌声の可能性を高める、という部分が重要になります。

そのために発声法を覚えて行くという、能力開発の側面が大きいです。 そう、武道や個人競技のスポーツとよく似ているのです。
自分の肉体をコントロールする技を磨くことで、声という肉体の機能による表現を、芸術的な領域まで高めることが出来ます。

声楽発声において、肉体をコントロールするための重要なポイントは、以下の3点と考えます。

これらの3要素はそれぞれが関連していますので、どれか1つだけ出来ても、上手く機能しません。
また、肉体をコントロールするといっても、普段意識して使わない筋肉を使うことが多いのです。
これらのことを覚えて実行していくためには、レッスンを長期間続ける根気と、自分勝手なイメージを捨てて新たことを始められる素直さ、あるいは癖を捨てる精神力が必要になります。

良く言われるように、肉体と精神という2つの側面は背中合わせのような関係であり、どちらかだけ、ということではないです。
精神と肉体は2分割されているわけではなく、不可分な関係にあるからです。

アトリエムジカCでは、声楽発声の具体的な方法を、ネットと実際の声楽レッスンを通して、主にアマチュアの声楽愛好家の皆さんにシェアいたします。finale

そのために、日々私がレッスンを通して実行していることを、レッスンノートというコンテンツや発声ブログなどを通して、皆さんにお伝えしています。
また、これからも、発声法や呼吸法に関する、新たなコンテンツを開発中です。
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アトリエムジカCで考える発声。

発声法の基礎である3要素の具体例について。

姿勢

姿勢は、お腹を使う筋肉を効率よく働かせるためにあることと、喉の状態を声楽発声にふさわしい状態にする意味があります。
このために、下半身に重心が低く感じられていることと、そのことによって上半身は良い意味でリラックス出来た状態であること。

大事なことは、下半身の重心の低さというのは、足を固定して固めることではなく、むしろ足が自由にいつでもすぐに動けるような柔軟性があることが重要なのです。
たとえば、電車の中でつり革や棒につかまらないで、電車の揺れを軽くいなすことが出来る、足の状態をイメージしてください。 これが、声楽発声では大事なことなのです。
このためには、足の膝を関節のように考えて、ゆるゆるにしておくことです。突っ張ってはいけません。
そして、腰自体も後ろに反り返らないで(いわゆる出尻にならないで)むしろ身体の前面に向けて傾けられるくらいに、少し緩めるくらいが良いです。

首はしっかりと頭を支えていること。 首がしっかりしていることで、声を出す器官である喉頭を支えることが出来ます。 首の後ろ両側面に筋群がありますが、この筋肉でしっかり頭を支えている感覚を持ってください。

このことで、首の前面、喉頭やその周辺から舌骨にかけての筋群が良い意味で弛緩出来ることが、良い発声の条件になります。 同時に軟口蓋や喉を開く働きを活発に出来る状態になります。
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そして、

お腹

これは、呼吸を司りますが、同時に発声のための喉頭のフォーム、使い方をも規定します。 なぜなら、良い吸気こそが、声帯を良く閉じて、良く響く声を出す準備を作り出すからです。

声楽は腹式呼吸とか逆腹式呼吸、などと良く言われますが、このように一つの言葉や方式を提示すると、あたかもそれが絶対であるかのように、言葉や意味が独り歩きしてしまいます。
本当は、腹式でも胸式でもどちらでもなく、歌うための呼吸、という言い方しか出来ないと思います。
実際に、胸は使いますし、もちろんお腹も使うべき、という複合的な意味が含まれているからなのです。腹式呼吸だから、胸で吸ってはいけないと考えると、今度は胸を固く閉じてしまっては、肺も楽に伸縮しないではないですか?
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喉は、弦楽器の弦のようなものです。あるいはリード楽器のリードのようなものです。
発音体ですから、非常に繊細な筋肉です。 声帯は自身が閉じようとすることと吐く息の力の両者が拮抗して微細な働きをしますが、息の出方は音色を決定します。

息の出方は、どのように意識するか?というと、息を吐く方向を意識することになります。喉頭周辺図

 

以上のように、アトリエムジカCのレッスンにおける、声楽の発声の基礎的な考え方について書きました。
細かいことは、近々発声講座のような形でコンテンツを整える予定ですので、ご期待ください!

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