声楽は、マイクを使わずに歌を演奏するクラシック音楽のジャンルです。

これは想像以上に、声の存在感が問われます。
それは声量というだけではなく、声の響きの豊かさというものがあるかないか?という点になります。
そして、声楽作品は外国の作品が多いですから、当然、歌詞が外国語になります。

声楽作品を勉強する場合、この声の問題を訓練するために、発声法を会得しなければなりません。
同時に、外国語歌詞ですから、外国語の勉強は必須になります。

外国語ですが、例えば訳詞を作るためには、普通の意味での勉強が必要になりますが、歌詞を読んで発音すると同時に歌う、という行為になると、単なる勉強では終われません。
これは、発声法と絡んで何度も何度も繰り返しの訓練が必要になります。

この外国語の訓練の基本ですが、アルファベットの文字を、辞書の助けなく正確に読めるようになることが第一条件です。
辞書を見て、発音記号を調べ、一つの単語内に、子音があり母音がいくつあって・・という発音の構造を知ることから始めなければいけません。これが、基礎です。

昨今では、紙の辞書ではなく、電子辞書が一般的になりました。
これは便利なもので、発音の音声まで出てきます。
しかし、これが初心者には落とし穴です。

音で判断するということは、間違って覚える可能性がある、ということです。
確かに、音で覚える方が音的には合っているかもしれません。
しかし、声楽で必要なのは音符に載せて正確に発音できるかどうか?ということであって、喋り言葉の美しい発音を学ぶことにおいては、重要度は下がります。

大事なことは、いかに音符にきれいに載せられるか?という技術です。
そのためには、辞書に掲載されている発音記号を読み取る能力が必要です。
子音はどう表記されているか?その発音方法は?
母音の表記による違いは?
という部分を、徹底的に勉強してください。

もし勉強が好きなら、この辺りは音声学の勉強をされることをお勧めします。
ちなみに、私はフランス語に特化した音声学を知りたかったので、ベルティル・マルンベル著 大橋保夫訳「音声学」を勉強しました。