女性も男性も発声の原理は同じだが、女声の方が声作りの難しさを感じるのは自分が男性だからである。
しかし、長年やってようやく確信を持てるようになった。
それは、換声点の扱い方である。

ト音記号の中の4点A~5点bにかけてが、小さな目立たない換声点があるのは理論通り。
そして更に高い5点F前後に大きな換声点がある。
更に高い5点Aにも小換声点があるが、これは経験上そう思っている。

女性の声も経験とキャラクター体格などの個別性によって、大別するとファルセット傾向の歌声と地声傾向の歌声に分かれる。
高音域を広げるだけなら、前者は楽だが、一方で中低音発声の難しさがある。
それは、声区の対処がわからないうちは中低音発声が気息的になるからである。

このケースで地声を応用出来るタイプがあって、地声と上の返した声との段差があまり大きくない場合。
この場合は、積極的に地声で高い方の声区まで音域を持ち上げていく練習をすること。

地声の強い方や癖のある方は、ハミングの練習を使って地声と裏声とのミックスみたいなことを教えるが、
前にも書いたように、鼻母音的な母音発声も、効果的である。

特に癖が出やすいのはA母音なので、AnやEINという鼻母音で練習していくと、上手くいけば自然にミックス系の中低音発声がわかるだろう。