YYさんのステージ姿

YY

発声練習

ブレス方法と口奥の容積を意識を表面化
つまり「あくび発声」
これはおとがい(喉)を下げるのではなく、口奥の共鳴状態を作ることと、声帯の準備を同時に行う方法。
ブレス時にこのことを行うことで、合理的に声の出し始めを準備できる。

この発声はどちらかといえば、ドイツやフランスなど北欧系の好みの声になる。
ということは、喉や発声器官に無理のない発声でもある。
サロンから中ホールくらいまでのキャパシティのホールでは、非常に美しい広がりのある響きになる。
そのため、歌曲を中心にコンサート活動する人は、ぜひ覚えて頂きたい。

フォーレ「月の光」原調

前述の発声方法を中心に指導を勧めた。
エッジの効いた鋭い声ではなく、ピアノのようなフェルトが弦に当たって響くような声のアタックである。
フェルトの音色にする方法が、「あくび」である。
声帯を少しだけ開いて息の関与で声が柔らかく出る方法。
また、これに子音発音の方法を正確に使えること、声の音色に変化が出る。

たとえば、Votre ameと歌い出しの子音はVである。
Vの喉の振動を与えることで、母音の響きに深みが出る。
これがないと、浅薄な響きになる。
これを明るい声と勘違いする人が多いのが、我々日本人の特色である。
明るければよいのではなく、明るさと暗さの対比があることが、声の芸術的な扱いには必要ななのである。

シューマン「リーダークライスOP39」から「月の夜」

PPやPの声を細いガラスのとがった声にするよりも、広く柔らかい声質を提案した。
それは、伴奏和音との関係であろ、たとえば冒頭のEsのE母音は、明快に開口母音を意識してほしい。
同時にその発声は、明快に息が関与している発声であること。