発声練習を10分ほど行い、フォーレのMaria mater grazieから始めた。

一聴して感じるのは、2声部の和音感であった。
ソプラノは低音域に降りるときにピッチが下がること。
アルトも同じだが、基本的に4点G~A以下で、気を付けないとピッチが低めになりやすいこと。

両方とも単に発声の基礎技術の問題である。
下降形のとき、ある音域をまたぐと、あたかも弦が緩む現象が起きて、ピッチが下がる。
また低域を歌うと、弦を緩ませているために、ピッチが低くなる、ということ。

喉も弦楽器と一緒で、低音だからと言って弦を緩めてはいけないのだ。
言い換えれば、太い弦に弓を切り替えないでボーイングするような感じと言えば良いか?

次のPavaneは、やはりフランス語の発音から声の良いテンションを導き出すように練習をした。
とはいっても、シンプルに発音を明快に、明快すぎるくらい明快に発音することを指導。
特にE母音は、広く発音するが鋭く発音するくらいが良い。
とにかくハッキリと語ることで、歌声もピッチが決まって声が前に出て、良いことが多いのである。

最後にフォーレのAve verum corpus
これも練習のテーマはMaria mater grazieと同じであった。
ソプラノ冒頭のフレーズのAveのA母音で始まる声は、子音がないためか声の出が遅れるし、ピッチも決まりにくいようであった。

母音で入るフレーズは、その母音が子音だと思って歌い出す、という意識を持つことがうまく出来るコツということ。
また母音の形で口を早めに開けておいて出だすということも、遅れないための秘訣である。

やはり低声のピッチの高さは大事と感じた。
ソプラノとオクターブで揃うべきところと、3度が連続する美しさなどにおいて、どちらかといえばアルトのピッチが問われるケースが多いと思う。