声楽の先生をどうやって選ぶか?という問題は難しいですね。
初心者、ある程度基礎が出来ている人、経験は長いが悪い癖が付いている人、プロ指向の人、楽しみでやる人。
それぞれ、かなり違う能力を、指導者は持たなければならないでしょう。

理屈だけ教えて後は知らないよ、と言う先生では、初心者にはチンプンカンプンだし、
気が短い先生だと、悪い癖を直すのは至難の技になると思います。

メトードはあまり問題ではないと思います。

結局、根気の良い先生が勝ちでしょう。
あとは、生徒と先生の相性だと思います。

良く、専門が違う複数の先生について、あれこれ違う専門のことを細かく分けて勉強されていることを得意になっている方もいるようですが、これは、そう単純なことではないと思います。

例えば、外国語の発音と発声を個別の先生に習ったとしても、そもそも発音と発声は切り離せない
要素がたくさんあるのです。
そういうことが、あるレベルに達していない生徒さんに、判断出来るのでしょうか?

例えば、外国語の発音にしても、声楽家ではない、単なるネーティヴの語学教師に就いて教わったとしても、声楽発声には単純に応用出来ません。
声楽の発音は、発声の問題と不可分だからです。

また、音楽の表情を付けると云っても、そのレベルに達していない生徒に、いくら教えても、
かえって発声に悪い場合も多々あることがあります。

習いごとには順番というものがあります。
頭の固まっていない子供に取って、親は複数要らないように、声楽の初心者にとっての
指導者の存在は、親と同じような信頼関係で成り立って作り上げる作業が、後々の声楽家になるまでの、資質を育てる大きな要素になる、と考えています。