アトリエムジカC試演会2024年2月24日土曜日14:30開演

2024年2月24日試演会記念写真

 

昨年7月31日に開催した試演会以来、7か月ぶりでした。個人的にとても感慨深い試演会となりました。
それは前回の試演会評に書いた通り、私の悪性リンパ腫による4か月間の抗がん剤治療を経て無事寛解出来た結果開催できたからです。
それと同時に、全員が日本語歌詞による歌というまとめ方も大成功だったと思える出来もあります。
私も体調が完全ではなく、当日の疲れなども心配の種でしたが、終って見ればそんな不安も吹き飛ぶ「やって良かった!」という爽快感に満たされました。
全員にブラヴォーを投げかけたいと思った今回の試演会でした。

下記、今回の出演者それぞれが書いた感想をまとめてあります。
それから各人に対する私の感想は各人をレッスンした結果であり、他人との比較はまったくありません。他の方の演奏と比較しないようくれぐれもご留意いただきたいと思います。
なお動画の音声はマイク音量オートで録画しており、声やピアノの強弱が表現されていません。
実際に私がホールで聴いた声やピアノの音質が数倍良かったことを申し添えておきたいと思います。

出演者(イニシャルによるリンク)TNK MMH MO SKMM  SNT SM HA  YY 各自のイニシャル横に、プレイボタンがありますので、そこから動画にリンクされています。

 

 

 

 

 

 

 

 

TNK


高田三郎「ひとりの対話」より「いのち」「遠くの空で」「くちなし」

合唱で活動されていますが、こちらは独りでの歌声を主眼として練習してきました。
その意味で、レッスンで成果が結実したと思われる出来となりました。
彼が選ん選曲も良かったです。
飾り気がなく実直に語ろうとする詩の内容と、彼の歌声が自然に合っていたと感じました。

 

 

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MMH

 
 山田耕作「鐘が鳴ります」「みぞれに寄する愛の唄」中田喜直 木の匙より「悲しくなった時は」 

日本語を歌うことに関して、歌声としての表現と読譜の関係をじっくり勉強できたと思います。
その結果、「みぞれに寄する愛の唄」と「悲しくなった時は」の2曲はドラマを充分に感じさせる歌唱になりました。
「鐘が鳴ります」は、もう少し歌い込むと練習した意味が自然に判って出来るようになり完成したのだと思われます。
民謡の良さと声楽の歌声をどう結び付けるか?というテーマです。

 

 

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MO

 
山田耕作「砂山」平井康三郎「平城山」中田喜直 木の匙より「夏が来ると」

彼もMMHさんと同じく歌詞の内容をよく表現した歌唱表現になったと思います。
特に「夏が来ると」は好演でした。
また発声的には「平城山」の高音はとても綺麗に表現出来るまで成長したと感じられました。
「砂山」改めて難曲だと思います。これからも機会があればリトライしてください。
歌い手としての成長を推し測れる計測器のような作品だと思いました。

 

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SKMM

 
大中寅二「椰子の実」アイルランド民謡「庭の千草」スコットランド民謡「アニーローリー」

久しぶりの発表会であったことと、このところのレッスンの成果など含めて、彼女の覚悟のようなものが感じられた好演でした。
「庭の千草」「アニー・ローリー」は胸がきゅんとなるナイーブな歌声を披露してれました。
また「椰子の実」は、明治のばんからな学生さんではない、瑞々しいお嬢さんの歌声が新鮮なイメージになりとても良かったのです。

 

 

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SNT

 
木下牧子「くるみ」「竹とんぼに」「おんがく」

ナイーブな木下牧子の歌世界が充分に感じられた好演でした。
手の動きも入れた余裕のある演奏で、長年の精進の成果が出てきたと感じています。
歌詞が日本語であるということが、その結果につながったのではないでしょうか?
歌の原点は自分の言葉を語ることですから、これからも積極的に日本語の歌に挑戦して行ってください。

 

 

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SM

 
信時潔 歌曲集「沙羅」より「丹澤」「沙羅」「行々子」「占ふと」

長年に渡って精進をコツコツと続けられて来ましたが、今回の発表会はその成果が結実していたと合点出来ました。
良く喉が開いた声で、無理のない響く歌声を駆使して丁寧に歌っていました。
そのことと曲の持つ表現が綺麗に一致していた好演となりました。
今後も今回の成果を大切に、良い選曲を研究しながら歌い続けてください。

 

 

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HA

 
中田喜直「霧と話した」菅野祥子「春なのに」

「霧と話した」確実で丁寧な歌唱でした。
そのため、この音楽が持つ可能性を良く感じられました。
その意味で、このレパートリーは大切にしてリトライしてください。
更に発声面の課題をきちっと持つことで、表現の可能性が大きく広がると思います。
「春なのに」は、歌うことの動機についての説明があったため、歌の表現が自然に感じられて好演でした。

 

 

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YY

 
三善晃 ほおずき 少女よ 雨の降る日(兄のうたえるうた)小曲 五月

1曲目を聞き出して直ぐに感じたのは、三善晃の音楽世界はとてもゴージャスなものだ、ということでした。
チープな質感の和装のような音楽を想っていましたが、良い意味で裏切られました。
作品が持つ音楽美が表現出来ていたと思います。
どの曲も楽譜に忠実に演奏していましたが、2曲目と5曲目は歌い込みがあと一歩の感を持ちました。
この作品は真の名曲ですから、これからもこの作品を大切なレパートリーとしてリトライしながら精進を続けてください。

 

 

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