2008年2月17日アトリエムジカC発表会 夜の部

夜の部は、12名でしたが13プログラムだったので、時間がぎりぎりでした。
しかし、二重唱も入ったし、年季が入ってレベルの高い方も多く、ゴージャスなコンサートになったと思います。
年々上手くなって行く生徒たちに、こちらがむしろ付いて行かれないのではないか?とすら思うくらい。
また、このような発表会で終わらせるのが勿体無い気がしたのは、昼夜問わず、の感想です。

ところで、本番というのは、失敗がつき物だし、またそのことを怖れる余りに上がってしまうことがあります。
誰もが、失敗をしないようにしたいものですが、失敗を恐れるだけだと、音楽を演奏する、という妙味がなくなってしまう面があります。また、演奏すること、プレイすること、の本意は「失敗しないこと」にあるのではない、という点については、お解かりと思います。果敢に挑戦することで、プレイヤーのオーラが出てくるものなんです。
だからPlayなんです。「事務仕事」ではない、そこの違いを改めて判って頂ければ、と思います。
そしてPlayがPrayになれば、これはもう凄いことですね!
真の意味でPlay(Pray)が目的になるならば、失敗などは恥ずかしくも何ともない、ことではないでしょうか?

皆さん、本当にお疲れ様でした。そしてピアニストの皆さんもありがとうございました。
ピアニストさんがいないと、音楽は半ばにして完成いたしません。心よりの感謝です。
最後に、お客様の皆様、お忙しいところお越しいただき、本当にありがとうございました。
この場を借りて御礼を申し上げます。

次回のコンサートはどのようなコンサートになるのでしょうか?心から楽しみにしています。


 

安藤陽子
モーツァルト
「フィガロの結婚」より
ケルビーノのアリア「恋とはどんなものかしら」
「フィガロの結婚」より
スザンナのアリア「とうとう嬉しい時がきた」

色々と忙しく、レッスンには本当に偶にしか来られませんでした。また発表会も2回目で、こんな大きいところでソロを歌うのも初めてでしたね。それでちょっと心配してたのですが、結果は良かった、と思っています。ケルビーノの歌はテンポも良かったし、スザンナは最後の高音も綺麗に決まりました。誰しも上がりますが、なるべく間を空けないで、3回くらい本番を経験すると落ち着き方を覚えると思います。その意味では、もう少し本番を経験されると良いと思います。
おめでとうございました。


 

後藤英生
イタリア古典歌曲集より「アマリッリ」
シューベルト「冬の旅」より
「道標」「おやすみ」

この3曲、よく勉強しましたが、本番で最高に持ってこられました。アマリッリはGPでちょっと出だしの音程や響きが心配だったけれど、本番は上手く行きましたし、冬の旅の2曲は、素晴らしい集中力で、聞いているものを惹きつける情感が出せました。これは良い意味で年の功と言いたいです。中低音域の発声も良かったですね。
この調子で、これから全曲を勉強されてください。
おめでとうございました。


 

西村 佐和子
フォーレの歌曲「シルヴィ」
デュパルクの歌曲「悲しき歌」
サンサーンス「サムソンとデリラ」より
デリラのアリア「私の心はあなたの声に花開く」

1曲目の「シルヴィー」から、明るい緻密な声の響きで、フォーレのエレガントな感触が出せて良かったです。
この曲は音楽作りに結構苦労したので、イメージどおりの演奏になり、こちらも嬉しかったです。
「悲しき歌」も、テンポ通りで出来、しかもそれが、あの小屋にぴったりの演奏になりました。
「サムソンとデリラ」もレッスンで聞いた通りの音楽で、安心して聴けました。
強いて言えば、彼女の声域でぎりぎり、という感はありました。これは折込み済みですね。
でも、発声的には勉強になったのではないでしょうか?こういうトライもありだな、とこちらも勉強になりました。
おめでとうございました。


 

脇黒丸はる奈
モーツァルト「ドン・ジョバンニ」より
ドンナ・アンナのアリア 「おっしゃらないで、愛しい人よ」
プッチーニ「ラ・ボエーム」より
ムゼッタのアリア「私が街を歩くと」

彼女は、丸4年になりますか、本当に安定した歌唱力を身に着けてくれました。ドンナ・アンナも懸案だった後半のメリスマはレッジェロに決められたし、たったの4年であれだけレシタティーヴォが上手くなれたのは、大したものですよ。ムゼッタは、そのキャラクターは充分に出せました。もう少し声は重くても良いと思いましたが、無理なく綺麗にまとめられたのでかえって良かったと思います。
これからは抑えた声の扱いをどうするか?吟味して行くと良いと思いました。
おめでとうございました。


 

杉田真澄
ドビュッシー「二つのロマンス」より「ロマンス」
ドビュッシー「麦の花」
ドビュッシー カンタータ「放蕩息子」より
リアのアリア 「アザエル!なぜお前は去っていったの?」

ドビュッシーは難しかったけれど、本当に良く勉強してくれて、良い結果が出せましたね。
「ロマンス」の最初の低音は厳しかったけど、上手く出来ました。全体に低音域の声は、良い線に来てると思います。
今回は、声のテンションがホールに上手く合っていて、3曲ともその音楽的な姿が明快に見えていたのが成功の原因でした。特に「放蕩息子」アリアの中間部、早口になるところは本人の乗りが良く、良い集中でしたね。
3曲とも、集中力の途切れない、良い演奏になりましたね!
おめでとうございました。


 

高橋朋子
モーツァルトの歌曲「夕べの想い」
オッフェンバック「ホフマン物語」より
「オランピアの歌」

モーツアルトの歌曲は、彼女の中低音域の声の雰囲気が、この曲にぴったりだったので選びました。
低音の発声もしのいで、であればこその瞑想的な夕暮れの美しさが、良く表現出来ていたと思います。
オランピアは、出だしから息の良く廻った、彼女らしい高音の響きが軽やかな印象で、爽快なイメージになりました。
また、レッスン時と違って、テンションが高くなった分、演劇性が加味された演奏になった、と思いました。
コーダの高音は、もっと伸ばせたのでは?と私は思います。
自身の声に更に自信を持ってください!それだけでも、大分違うと思いますし、大事なことだと思います。
おめでとうございました。


 

深谷智広
トスティ 「私は死にたい」
クルティス 「泣かないお前」
トスティ 「夕べに」

この3曲の演奏は、本番は上手く行くだろうと確信していました。
彼は舞台に乗ると憑き物がつくみたいなところがあります。
GPでテンポを変えて悪かったかもしれないけど、逆に彼が乗れたのではないか?と思ってます。
「泣かないお前」の泣き節が良く出せていて、「夕べに」の気持ちよさも良く感じられていました。
何より彼が楽しそうだったのが、印象的でした。
おめでとうございました。


 

杉田真澄、高橋朋子
モーツァルトのオペラ二重唱
「フィガロの結婚」より「手紙の二重唱」
「コジ・ファン・トゥッテ」より
「妹よ、見てごらん」

モーツアルトのオペラ二重唱の典型みたいな2曲でした。
モーツアルトらしい、ロココ調の雰囲気がとてもよく出せました。
二人とも、良く楽しんで歌えたし、曲の雰囲気はよく伝わったのではないかと思います。
二人の声質も、モーツアルトらしい品の良いもので、曲調には良かったと思いました。
今回は時間もなかったので、将来余裕がありましたら暗譜でアンサンブルが出来ると更に面白いステージになりそうですね。
おめでとうございました。


 

峯村真紀子
アーン 「再発見された9つの歌曲」より
「覚えているよ(ある晩、テレグラムを受け取って)」
メンデルスゾーン 「ズライカ」
リスト 「3つの夜想曲」より
「おお、愛しうる限り愛せ」

彼女らしい、落ち着いたシックな声が印象的な演奏になりました。
その意味で、Je me souviensが一番良かったし、お似合いだったかな。
ただ、少し上がっていたようですね。
2曲目の「ズライカ」は、私の判断では、もう少し早めの方が結果的に上がり症が目立たないと思いました。
リストの歌曲は、平均して綺麗に歌えましたが、もう少し中間部の激しさが出せると良かったですね。
どの曲も、今までと違って響きの音程感が良くなったので、安心して聞き通すことが出来ました。
おめでとうございました。


 

能城あけみ
モーツアルト「ドン ジョバンニ」より
ツェルリーナのアリア「ぶってよ!マゼット」
モーツアルト「後宮からの逃走」より
コンスタンツェのアリア 「どんな責苦があろうとも」

1曲目を歌い始めると、客席から思わずほーっという微かなため息が漏れてきたほど、艶やかで滑らかな声のツェルリーナでした。これは本当です。歌詞の内容を良く考えて歌っているのが、良く伝わりました。
コンスタンツェのアリアは、もう万雷の拍手だったのではないでしょうか?それだけの技巧を要する曲だし、それに相応しい練習と勉強をしたし、当然の結果でしょう。よく勉強しました。特に高音の軽やかさを得られたのは大きいと思っています。
おめでとうございました。


 

柘植加奈子
J.S.バッハ BWV211 コーヒーカンタータより
「コーヒーのなんて美味しいこと!」
ヘンデル メサイヤより「シオンの娘よ、大いに喜べ」

彼女にバッハのこのアリアを歌ってもらって、本当にこの曲の優雅さ、そしてバッハの美しさを教えてもらいました。
彼女の声はボーイソプラノのように、汚れが無く純粋な響きで、バロックアリアにぴったりですね。
ヘンデルも、実に乗りの良いテンポが絶妙で、思わず身体が動きそうなくらいでした。
緊張も良い方に出て、とても集中力の良い演奏でした。声もますます磨きがかかって、気持ちの良い声が良く響いていました。
おめでとうございました。


 

天久千絵子
フォーレ 5つの歌曲集「ヴェネツィア」より
「マンドリン」「グリーン」「恍惚」
フォーレ「墓地にて」

どれも良い声、良い出来上がりで、言うことは無かったです。声は一番後ろで聞いていても良くニュアンスが伝わるものでした。「恍惚」は本当に美しい自然の景色と愛が立ち昇って、改めて、この曲は何て気持ちの良い音楽なんだろう!と思わされる快感の演奏でした。
「墓地にて」は、昨年に亡くした自分の母親が思い出され、どうにも泣けてしまいました。
生徒の歌を聞いて泣けるなんて、こんな冥利なことはないですね。あのテンポで歌えるのは凄いと思いますよ。
おめでとうございました。


 

澤田頼子
フォーレ歌曲集「イブの唄」より
「いのちの水」「輝く神のように」
フォーレの歌曲
「夢のあとに」
「蝶と花」

GPでは、かなり緊張があり、本番の蓋を開けるまで心配でしたが、見事に良いほうに行ってくれて本当に良かったです。「夢のあとに」で、ほとんど彼女しか出せない雰囲気が濃厚に出て大成功を確信しました。
「夢のあとに」は、二人で協議したテンポと音楽でしたが、大成功だった思います。あのテンポで良く歌いとおせましたね。地味な歌曲のプロでしたが、であればこそ、歌手の持ち味、人間味が良く表せる典型、というような演奏になったと思います。良く勉強してくれました。
おめでとうございました。