音大に入って、このコンコーネOP9(俗称コンコーネ50番)を練習させられた時は何の感興も湧かなかった。
なぜなら、先生は譜を読んで来い次は~番だと言う具合だったせいが大きい。

それに、あの古臭いCMの音楽のような単純さには、クラシック慣れしてなかった自分の耳にはなじむ要素が皆無だった。
当時テレビで良く聴いていた藤山一郎の懐メロソングと変わりがない、と思ったほどだ。

ばか話はこれくらいにして、結論はコンコーネ50番を練習することは大変有用であること。
私の教え方は、母音で歌う事である。
子音をつけてLalaか半母音のJajajaである。

どうして階名唱法ではないのか?というと、歌手は絶対音程を持つ人は少なく、固定ド唱法で様々な調性を歌いこなすのが難しいこと。
移動ドで歌える範囲は、せいぜい変化記号無しの調性か、♭♯一つまでに限られるだろう。
ドレミで歌えたとしても、そのドレミ自体を間違って歌いかねないのである。

また、階名を使って歌うと子音発声の練習になる、というが、もしそうだとすると、初心者にはそれだけで1曲終えるのに大変な勉強量が必要だろう。
子音の発語とか子音と母音の関係を学なら、実際の曲をやる方が歌う方も楽しいだろう。
正確に書くと、Do re mi fa sol la si D,R.M,F,S,L.という子音を正確に発音することを教えるところから始めなければならない。

ならば、各自適宜音取りをしていただき、母音で歌う方が発声の分析が単純化し、フレーズを発声法を考えて勉強するのにぴったりなのである。
もちろん、指導者は必要である。
指導者はこのコンコーネを譜読みの練習台に使ってはいけない。
譜読みよりも発声とフレージングを教える教材として扱わなければいけないのである。

譜読みに使うと、いつまで経っても生徒はふれーずを1,2,3,4と数えながら歌ってしまう。
それは百害あって一利なし!