MO

発声練習

彼も発声練習は課題を持たずに、喉慣らし程度に5度アルペジオとスケールを
練習して終わった。

トスティのソルフェッヂ50から25番

譜読み上に問題は無し。
やはり高音へのチェンジに課題あり。
4点Eである。
お腹を見てると、高音になると呼気を強く送り出す癖が治らない。
これが高音を出しにくくしている一大原因である。
お腹は前腹部をぎゅっと引っ込めるのではなく、横に拡げるように。
それと喉周囲の筋肉で喉を上がらないようにするのである。

イタリア古典歌曲集より「貴方が私の死の栄光を」

とても丁寧に歌えている点が好感が持てた。
また口先をあまり開けないことで、レガートに歌えている点も理に適っている。
ただ、それであればU母音などはもっと狭く口を尖らせて発声すべきであろう。
判ってほしいのは、口を細めて滑らかに歌えさえすればOKではないこと。
フレーズを滑らかに歌えるならば、本来は母音の違いAIUEOをもっと違えて表現出来ることである。

信時潔「我が手の花」

これも前曲を同じように歌っていたが、この曲には向かない。
もし同じようにレガートを狙うなら、むしろ古語発音のような、いわば謡曲の歌い方を真似る意図があるなら良しとされるだろう。
文語体の歌で、旋律も古めかしい雰囲気があるからである。
また高音で声が飛び出さないように、フレーズを滑らかに歌うこと。
楽譜にはクレッシェンドと書いてあるが、現状流行らない方が良い。
1番の歌詞でいうと「さあれさかりの」「り」を飛び出ないこと。
そしてブレスを入れて次のフレーズ「みじかさよ」は声を少し弱めてゆったりさせると表現に適う。

モーツアルト魔笛からパパゲーノのアリア「娘か可愛い女房が一人」

今回実験的に指摘した歌い方の変化が、彼の積極的な意識でとても良い結果を得られた。
曲の形式は有節歌曲。
一節に音楽のモチーフ部分と演劇的な内容の中間部の2部に分かれている。
モチーフ部分を良く歌いこんで、展開する中間部を喋るように演劇的に構成してみた。
これが大成功で、とても面白いこの曲の表現するものが良く表れた。
いま強いて言えるのは、歌う部分。
音域が低めなので、ピッチを高く明るい声で歌うように留意すること。
中間部はレッスンで出来たように、歌うよりもお芝居の語りに近く。
多少声が乱れても、演劇性が出る方が面白いのである。