TM

体験レッスン後の初レッスンでした。
声の揺れが大きいのが合唱で困る、というお悩みでした。

今日のレッスン1回だけで結論は出せませんが、今日だけの感想で言えば、呼吸法と呼吸法に関連する喉の使い方が、揺れと関係あるように思います。

息の吸い方は良いのですが、出す時に横隔膜を急速に広げてしまうようです。
見ていると、胸郭がすぐに落ちてしまいます。

そこで、フレーズの息を保たせることや響きを出そうとするために、喉を締めようとしますが、横隔膜のコントロールが効かないために、抵抗しようとする喉頭と呼気とのアンバランスが生じて喉頭が揺れる、という感じです。
見方を変えれば、胸声と頭声のバランスが悪いために、両方を行き来するようにして揺れる、という風にも捉えられそうです。

これの解決は、より少ない呼気で、より良く響くような喉頭の使い方をしなければなりません。
そして呼気のコントロールで言えば、フレーズを一定の速度で上に向かって昇るイメージ、そのための方法、を考えなければなりません。
下に向かうと、声は良く出ますが音程感が悪くなります。
上だけだと、響は薄くなるが音程感は良くなります。

コンコーネOp25の4番を練習しました。
むずかしい曲ですが、良く歌えています。
ただ、良く響きますが、換声点を過ぎるころから音程感の少ない声になります。
これからの課題ですが、下の声と頭声とのミックスが必要だと思いました。

ラターのグロリアのある部分を歌ってもらいました。
最高音の5点hが決まらないということでしたが、母音発声の意識を変えることで、楽に歌えて音程も良く決まりました。
下あごで母音発音をしないで、ということは、口の形を変えないで最高音の発声に移れば良いだけのことでした。
母音を意識しない事、は高音発声では大切なことです。

WN

発声練習では、母音のIを主に練習しました。
低音から喉を開けようとする風がありますが、これが声帯を余計に開いたスカスカした声にする理由になっています。
母音をIにしたときは、特に低音では声帯の閉じた響きが良く集まったピッチの高い声を目指してください。
発声はここから始まる、と言っても過言ではないと思います。

具体的には、口先を開けようとしないで、鼻の周りに響かすようにすると、平べったいですが密度のある声になるでしょう。
そしてフレーズを歌うときに、高音に昇るにつれて喉を開けて行く、ということです。
そのタイミングは、5点Cを過ぎるくらいからですが、フレーズの形に寄ります。

いきなり跳躍する場合は、低音時から開けておく準備は必要です。
要するに筋肉なので、高音発声ほど緊張を強いられますから、フレーズという一つながりで考えれば、高音発声のために筋肉に余裕を持たせておく、ということです。

低音は喉を閉じ鼻腔に入れて、高音に行くほど喉を開けて行くこと。

曲は、フォーレの「愛の夢」「イスパーンのバラ」
この2曲は、音程の跳躍、上昇時に喉を開く意識がとても重要でした。

そして、サティの「天使たち」
「天使たち」は、最高の出来でした。
ここまでフォーレの歌曲で、フレーズを喉開けて昇るように対処する練習をしたせいでしょう。

TSS

発声練習は、低音からとても安定した歌声が出来ています。
特に母音のIであれば、非常に安定した太さのある声質ですし、換声点もきれいにクリアして硬質な良い高音に換声していました。
この母音Iでの声質が基本とするならば、どちらかというとリリックな声質になれる喉を持っている、ともいえるでしょう。

このIを利用して、同度でIEAOUと5種の母音移動をしました。
目的は、特にAOで響きが抜けないようにすることです。
これは、特に中低音から換声点までの練習です。

これもとても上手く対処出来るようになっていました。

フォーレのNotre amourとMozart Dans un bois solitaire
そして最後にグノーのJe veux vivreを練習しました。

フランス語の発音は、特に発音記号でUの発音に意を注いでください。
口を開けて、声の響きを前にばかり持っていこうとすると、結果的にどの母音も開いた母音にしか聞こえず、言葉の語感がまったくない歌になってしまうでしょう。

発声練習では、低音~高音までつながりと一貫性のある発声が出来ていますが、歌になると、高音発声と中低音発声が、別物になってしまうことがしばしばです。

この原因は、特に高音発声時に、決まったところに当てようという意識が強いためではないでしょうか?
当てる意識は、発声においては有用ですが、一つのことだけをやっていると、フレーズというつながりが分断されることがあります。
現在彼女が、当てる、という感覚で持っているものが、どちらかというと、中高音~高音にあるのではないでしょうか?

当てることだけに意識を持たずに、フレーズ単位でいかに声の響きが安定させられるか?という発想になれば良いのではないでしょうか?
固定的にならずに、柔軟に対処してください。