SM

発声は、Aで下降形で始めてみました。
いきなり胸声で始めると、かえって低音発声が上手く行かない場合が多いからです。
最終的に一番良いのが、Iでの発声。これを基にしてE-Aと変化させて、Aの母音の響きを作るのが成功の秘訣でしょう。

フォーレの「祈りながら」から。
最初のテンポはぎりぎりゆっくりのテンポ。綺麗でしたが、最後のAu calvaireの最後のReの伸ばしが、テンポのせいで上手くいかないです。
ゆったりのせいで、粗が目立ちやすいし、流れたほうが判り易いと思うので、少し流れるテンポに上げました。
後は、この最後の低音発声ですね。
声を押さないで、喉を開くことに集中しましょう。

ルイーズのアリアは、これも前半のゆっくりした出だしの所を、もう少し流すようにしてもらいました。
これも、やや緊張感が、本番を想定すると怖い感じがしました。
声、特に高音域は全体に良い傾向ですが、低音に降りると、声が出ないポイントがあったりして少し心配でした。

よくよく見れば、もっと自由に間合いを取って良い場合もあります。
ブレスも落ち着いて、声のチェンジや用意も落ち着いて、常に声を良い状態に保てるように、音楽を持って行くこと。
落ち着いて対処すること、を大切にしてください。

WH

発声は軽くオクターブ上がり下がりだけにして、すぐに曲に入りました。

Adriana lecouvreurから始めました。
一度通してみると、レシタティーヴォを過ぎて、モチーフになってからのメロディを歌うリズム感がどうも安定しないのが気になりました。

それで久しぶりにお腹の使い方を検証してみましたが、やはりブレスが横隔膜で行われていない傾向になっていました。
お腹は使っているのですが、発声に息の力があまり関与していない状態だった、と言えます。

息を吸うことで力まない方が良いのですが、息を上手く使えないと、音楽の土台、リズム感の根底が作れなくなってしまうのです。

声を出していく際に、自然に息を声に載せて行くのは、喉で意識するのではなくお腹です。
特に前腹よりも、側腹から背中にかけて、じっくりと張りだすように使うと、良いです。

違うイメージでいえば、拡げるようにブレスをしたら、そのままゆっくりと外に向けて拡げ続けて行くような使い方です。

もう一点。声がやはりスカスカする傾向が強いです。
どうも喉だけで深くしている気がします。

前述のブレスの拡げる力と、喉が自然に深くなるのは、一緒です。
ブレスで常にこのことを意識すると良いでしょう。

ドニゼッティのドン・パスクワーレも、声の出だしで、きちんとブレス、そして喉を開いて、声を出すという原点を大切にしました。
高音発声は細かく言いませんでした。下顎を降ろすのは良いですが、前にガクッと出さないように・・・これは次回もう少しじっくり練習したいところです。

MM

発声は、ハミングから始めて、1点Cで母音に変換、そして母音で練習に切り替えました。
見ていると、姿勢がまだ決まらないように見えました。

彼女の傾向ですが、お腹が微妙に前に出て立つように見えます。
これだと、腰、背中が使えないでしょう。
もっと、腰側を使う意識を持つことと、やはり胸を綺麗に張った立ち方を心がけてください。

下腹部下端に少し力を込めるようにすると、側腹にかけ、斜腹筋がきゅっと少し緊張するのが判るはずです。
この状態を基本にしておいて、ブレスをしましょう。
そうすると、自然に横隔膜が拡がると思います。
ここから声を出して行くのですが、意図して横隔膜を拡げるようにして声を出して下さい。

今日はここまで細かくしなかったので、次回検証してみましょう。

前回と同じものを3曲歌ったのですが、声の温まりと関係あるかもしれませんが、声が2点Cからファルセットになり易いのと、
逆に太すぎてしまうこと、が指導上の主要テーマになったと思います。

難しく考えずに下の声をなるべく持ち上げたほうが良いのだと思います。
ただし、軟口蓋を良く上げること、喉も良く開くこと、この両者のバランスと、前述の呼気の使い方が微妙に関わってくるのでしょう。

オペレッタのアリアは、声のことは勿論として、前半のParlandoと後半のCantabileの違いを良く出すことに集中してください。
Parlandoは、母音を伸ばさずに、子音をしっかりハキハキ前向きに発音することです。
逆にCantabileは、その逆で母音を良く伸ばして繋げるように綺麗に歌うのです。