レッスンノート2014年9月20日

TNA

本番のプログラムを練習。
発声練習で、中低音を良く響かせるように練習。
母音をIで練習。
そして姿勢の矯正。首の後ろをまっすぐに立てるように。
やや斜め上を見る姿勢が癖になっている。
最終的には姿勢は自由だが、今は姿勢による喉の使い方を覚えるため。
ある姿勢に決まると、声帯が良く伸びて自然に声が響くポジションが見つかると思う。

グノーのAve Maria
こちらは、やはり冒頭のAveの出だしがきれいに決まることが最大の条件。
歌いだしのタイミングが遅れないようにするためには、ブレスを短いブレスではなく、およそ1拍の長さでゆったりするほうが良いと思う。
そして、声の出だしを決めるためには、口を開けたブレスで、軟口蓋から声を出だすようにすること。
条件としては、お腹の支えが決まっているかどうか?という点も重要。

アリア Inquelle trine morbide
喉を開けた声、という点が今日の収穫。
再現性が確実であれば、大きな進歩となる予感。
特に高音でPで歌う際に、大きなアドバンテージ。
最高音は、口の開きが足りないのとタイミングが未開発だが、安定したので無理をせず、安定した歌唱を今回の本番の目標に。

FT

今日は、発声練習の時から調子が乗らず、レッスンを通して好調にはならなかったが、それなりに上手く対処できた。
これも進歩の一つととらえてほしい。
テノールは、かなりな名人でも調子の波はけっこうある。
発声の課題としては、高音への換声点付近から、喉を上げないようにするあまりに、息を踏んばるように出すため、喉付近の筋肉に負担になることと、実際に喉にも負担になっていると思う。
また息の流れない発声になることも、デメリットになる。

喉を上げないようにするには、舌を力ませないことが最重要課題。
そして、姿勢。姿勢は顎が出ない顔のポジションと、頭全体を首でしっかり支える感覚。

いずれも発声の問題が課題になるのは、アリアだが、どの曲も実は同じ発声の課題が重要になる。

「初恋」は、低音発声が声が当たらない理由は、顔の位置決めが悪いせいだと思う。
顎を良く引いて頬骨を意識すると、ピッチの高い前に当たる低音発声になるだろう。

トスティ「最後の口づけ」も「初恋」とほぼ同じ内容。
いつものことだが、この曲のレベルであれば、現状でも通るレベルに歌えているが、ホールで歌うと通らない声になると思う。
次の、「星は光りぬ」で指摘したように、換声点辺りから上にかけて、喉を引き上げるバランスが悪いため、力む割には声の通りが悪いのである。

トスカ「星は光りぬ」は、これも、調子は今一つだったが、何度か通して歌えるようになったのは、喉の使い方が良くなった証拠。
ただ、前述のように音程感を良くする喉の引き上げの働かせ方が未開発。

喉が上がるのを恐れるために、喉を下げることだけに意識が行ってしまい、大変な労力で高音を出している。

喉は引き上げと引き下げでバランスするので、特に換声点以降は、引き上げ筋の働きを意識すべき。
引き上げると喉が上がるのであれば、それはどうやって阻止するか?という発想があればよく、必要以上に下げようとしないこと。

逆に言えば上がらないようにする、程度で良いのであり、引き上げに関しては、音程をきっちりはめる意識で発声すれば、自然と良い通りの音程も良い声になる。
このやり方で出していくと、この曲の最高音、4点Aは少し声帯が開いて、後ろに引くような発声になるはず。

UM

バッハロ短調ミサのアリア。
譜読みが進んで良く歌えている。

ただ、歌っていると顔がぐらぐらして、声が口先だけの声になりがちである。
姿勢を正すが、顎をしっかり引いて、首の後ろがまっすぐ立っているように。
そして、声は頬骨辺りから前に向けて、まっすぐ進んでいくようにフレージング。

もちろん、ブレスもお腹でしっかりとること。
これらのことを、基本にレッスンを通した。

ヘンデルのメサイアから、ReJjoice greately
換声点近辺の発声が課題。
発声は、やはし姿勢が第一。顔を動かさないことと、顎を引いて首の後ろを縦に伸ばすような姿勢。
声は、上あごを中心に、前にフレーズしていくように。

上あごで歌う意味は、発音時に、下あごをなるべく動かさないで対処することである。
そして、フレーズの高低の意識は、垂直に感じないで、水平に意識すること。
ただし、方向性を持つこと。前に前にと進むようにフレーズすれば、自ずと音程の跳躍は、前に進むエネルギーを強めにする意識で対処できる。

水平に前に進む意識であれば、喉が音程の上下に合わせて動かなくなることが、この発声でもっとも大切な点である。

MM

ベッリーニ Torna vezzosa filledeを練習。
今回は新曲になり、ざっと通したが、やはり喉で共鳴させるように発音してしまう点が課題。

この原因は、背中がまっすぐにならず、首の後ろで頭を支えられていない姿勢になることが大きい。
頭をまっすぐ、胴体の上に乗せた状態というのは、顎が自然に胸に近く位置した姿勢になるはずだが、
事務仕事など、都会生活の現代人は、一般的にこの姿勢がひどく苦手である。

大づかみでいえば、首の前側はしわがよるが、後ろはしわにならない、と言えばイメージが伝わるだろうか。
この姿勢のままブレスをすると、喉はいやでも良いポジションになるから、その状態で声を前に進めるようにフレージングすること。
そして、同時に下あごをなるべく使わないで発音することで、これも響きが上顎に集まって良いピッチの声になる。
というレベルは、換声点付近までは応用できるはず。

これも文字で表すと簡単だが、もちろん喉が上がってしまっていない、という条件があってのことである。
顎を引いて、しっかり首で支えて動かない顔であれば、喉は上がらないと思うが、それでも換声点から上に行く辺りで、喉が上がるのを感じるのであれば、
もちろん、喉を上げないように喉を開かなければいけないのは、論を俟たない。