FT

発声練習は省略して、本番前最後の伴奏合わせとなりました。

トスティの二曲に続けて、トスカの「星は光りぬ」を歌うのは、喉にはきついものがあるようでした。
そこで、順番を変えることにしました。
アリアを最初にやり、トスティの1曲目は、Pescatore cantaを、そして軽い方のIdealeで終わることにしました。

正論を言えば発声の基礎の問題によるものですが、この期に及んで発声を治すことは無理です。
それよりも、失敗せずに歌い通せることを目標に頑張りましょう。
本番の集中力が、必ず成功に導いてくれると信じています。

日本歌曲は、最初に歌いますが、團伊玖磨から2曲です。
出演の最初に歌いますので、声の暖まりが悪いかもしれませんが、臆せずにしっかりと歌ったほうが良い結果につながると思います。

武満徹の「死んだ男の残したものは」
暗譜の作業だけは、最後ぎりぎりまで、しっかり練習しておいてください。
これは、もう声楽というよりは、普通の歌として言葉を味わってしっかり歌うのみですから。
6番だけをアカペラにしてみることにしました。
その場合、前のテンポを引きずらないで、しゃきっと歌い始めておいて、最後だけ強くRitして終わる、と言う方法が良いと思います。

TSS

昨日の本番は、彼女としては不本意な結果だったようでした。
私の感想では、本番で少し上がったのかな、とは思いましたが、特に破たんがあったわけではなく、立派に歌えていたと思いました。
また、彼女の実力を完全に発揮したわけではないが、本番という緊張度を差し引けば、ほどほどのラインだったのではないか、という感想を持ちました。

本番は、思ったように行ったり行かなかったり、それは誰でもが経験することで当たり前のことです。
ですから、あまり出来不出来に拘泥しないで、次のことだけ考えるようにしてください。
本番そのものは、どうやっても1回こっきりなので、

今日は、バッハのBist du bei mirから練習を始めました。
彼女の課題は、響きの場所を高く意識するあまりに、喉が高すぎるために、ファルセットの強い声になります。
これが、不安定になる原因です。
今回指摘した方方は、声の出しはじめをみぞおちに感じることです。
みぞおちに口があって、そこから声が出始めるようにして、歌いだしてもらいました。

これが一発で功を奏して、素晴らしく良い声質になりました。
落ち着いた深い響きです。
このバッハのBist du bei mirにぴったりでした。
この発声が出来るのであれば、キーはこのまま(変ホ調)で構わないと思います。

ヴェルディのLa forza del destinoからPaceをざっと通しました。
譜読み途上ですが、これもぜん術の

と、プッチーニのLa Rondine から Il bel sogno di Doretta
こちらも、冒頭のレシタティーヴォに相当するパートで、みぞおち声出し始めの発声は、有効でした。
後半のありアパートでは、高音のメッツァヴォーチェが課題ですが、喉を良く開けておいて、声だけをファルセット傾向にする、というテクニックを身につけられれば上手く行くでしょう。
最高音の6点Cと、最後の5点bだけは、強声で出しますが、喉を上げないようにするために、下顎を良く降ろしておいて、上あごもしっかり上げるように。
ライオンが大きな口をであくびしているような口です。横開きではなく縦に良く開くのですが、高音の前の音辺りからやっておかないと、意味が無い結果になるでしょう。