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発表会はフォーレ4曲のプログラム。
良く勉強されたので、特に問題点というほどもないが、気になった点を少しだけ。

「夢のあとに」はフレーズ終わりにくるEのあいまい母音の処理が気になった。
それは子音Jのせいもあるだろう。
イタリア語のdjのように強すぎるため結果的に母音部が狭くなって強調されてしまう。

フランス語のこの女性韻の処理はフランス歌曲という声楽のジャンルで最も難しい部分なので、
あきらめずに追求してほしい。
大まかに言えば、母音の響きを締めない事、子音を必要以上に強調しない事。
つまりこの語尾のあいまい母音は強調されない方が良いということ。

「9月の森の中で」バリトンの声ということを少し練習した。
ブレス時に腹筋をしっかり使うことで、喉頭が結果的に深くなる発声になる。
このブレスを意識し歌い出しても維持しておくこと。

これ、案外自分で思っているより中で響かせる感じであり、外にとか前に響かせるのと違ってくる。
どちらかといえば、テノール系は前に響かせているが、バリトンは前というより中で共鳴を誘う感じの方が良い声だと思う。

この声のフォームで「マンドリン」と「ネル」を練習。
端的に男らしい歌声で好感が持てると思う。

やはり表現云々以前に、良い声とは?という部分が声楽では大事だと実感している。