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発声練習

高音への換声点の通過について練習をした。
換声点になると、突然喉が上がる傾向である。
恐らく、長年の高音発声の使いかたによるものと思われる。
良く言えば素直に喉が上がるということ。

この換声点近辺、あるいは5点Aまでは、極力喉を上げないようにフレーズを歌うこと。
その方法は慣れるしかない。
喉仏の下の気管の軟骨に触れると、下げて歌えているか?上がっているか?が判る。

この喉を下げて歌う方法については、特にソプラノの場合は頭声発声との関係がある。
恐らく日本では、特にソプラノはこの喉を下げないようにして歌う方法が推奨されたのではないか?

喉を下げると思うとなかなか思った通りに下がらないものである。
喉奥を拡げるように換声点へ向かう、あるいはフレーズの高音へ準備すると理解、実行しやすい。

三善晃「叙情小曲集」

今回は発声とか声の細かい扱いという点は指摘しなかった。
歌詞によって想起する風景や描写を頭に浮かべて歌う、ということに集中してもらった。

一例として1曲目の「ほおずきよ~」と歌う「ほおずき」は、どのような感情で見ているか?
それがこの作品の中では、どういうイメージを扱っているのか?
男女の恋愛のことであろうか?
歌い語る者が男であれ女であれ、恋愛という気分の中でこの詩が想起させる気分をこの音楽が受け持っているわけであろう。
これ、つまり三善の解釈である。

詩を音楽で解釈しているのが歌曲であるから。

結局、それぞれの詩の世界は自身なりの解釈で結論付けておくこと。
その上で、そこにつけられた音楽がどのような詩の解釈をしているか?
という作曲家の着眼点を明快にしておくことは大事なことである。