EM

発声の声が、少しこもって奥に引っ込んでいる気がしましたので、舌根の力み、舌の引っ込みに注意を与えました。
やはり意識と無意識ということの違いを、良く感じると、発声の改善に役立ちます。

声と云うのは、なんとなく奥に引っ込める方が良い声に感じるところがありますが、
これが、声の通りを悪くする原因です。
声は、声質以前に、声の通りの悪いのを極力避けるように意識するだけでも、大きな効果があるものです。

Op39の4番と5番を練習しました。
4番は、毎回言うように、語る所と歌う所のメリハリを明快にすることです。
語る所は、母音の響きをほとんど伸ばさないで子音発音をはっきりさせることのみに、集中して下さい。
音楽が変わる、Ich wunscht;ic war’ ein voglein und zoge uber das meer のフレーズ、滑らかに歌って下さい。

5番は、喉を深くしないこと。楽な喉で、軽く当った声が一番明るく、無駄なビブラートもない。
そう言う声で、淡々と真っすぐに歌うと美しい歌になるでしょう。
後半の、Und meine seele spannte から、Espressivoで、歌い上げて行ってください。

歌う際に、ただ漠然と音符を歌うないで、子音の扱いそして発音を必ず意識してください。
楽譜に書いてある強弱が何を根拠に書かれているのか?歌詞を良く解釈して、声で実現することを忘れないでください。

AC

発声は、喉に落ちない鼻腔の響きを重視した発声を練習しました。
今のところ、音程も良いし下顎も滑らかな動きで、歌詞をレガートに歌えるようになって来ましたが、まだ声の響きが直接的で、喉声の感じが抜けきれない印象でした。
軟口蓋が使いきれていない印象でした。
それで、ハミングや狭母音のUやIなどを応用して、鼻腔の響きを練習しました。

これを実際の曲、たとえばベッリーニのVaga lunaでも、徹底しました。
まず狭母音で練習をし、響きを確立してから言葉にします。
狭母音は、Lu にすると、ちょうど良い感じです。
彼女の場合、耳にきんきんする響きではなく、当りは少しソフトだが、声の響きの拡がりが良い声、がベストと思います。
前に出る、というよりも、後頭部から響きが出る感じが良いのではないでしょうか。

Sogno d’infanza 長いので1番、3番にしました。この曲は音域的にも前述の発声が、良い声を産み出すと思います。
滑らかでビロードのような声が楽しめれば、成功でしょう。表現とか、歌の心というよりも、声を楽しむ曲に出来れば、ということです。

アリアとして、グルックのオルフェのアリア。
トマの「ミニョン」から「君よ知るや南の国」をざっと歌ってもらいました。
どちらも、ですが、メゾ、あるいはアルトとしての美しいメロディを持っています。
ソプラノの派手なきらびやかなものではなく、落ち着いた

そして、日本歌曲は、さくら横丁と初恋を歌いました。
まだ不完全でしたが、今日の発声、鼻腔共鳴を意識した発声のせいで、ピッチの良い滑らかな歌声になりつつある、と感じました。
高音は、力で押すのではなく、響きがうまく「はまる」場所を探してやることがこつです。