SNT

発声練習はアルページュとスケールで5点Aまで。
とても安定した良い響きで練習できていた。

パノフカの17番と18番。
17番はトリルの練習だが、低音の声が安定しないため細かく動かすのが難しいようである。
ここはハミングの練習がふさわしい。
特に低音域は下あごを良く降ろしておいてピッチを高く意識した響きで練習することである。
この練習によって、低域発声における息漏れが引き起こす不安定さは軽減するだろう。

また、結果的に音程を素早く動かせるようになるのである。
18番は、音域が高いことと音程に変化が多いことが逆に歌いやすさにつながっている。
発声の進化は=歌うリズム感の良さを産み出すので、発声を大事にリズム感も充分に意識して練習してほしい。
リズム感は、ここでは単純に拍節をきちっと意識すること、というレベルである。

フォーレのレクイエムからPie Jesu
声の響きも良いししっかり歌えているし、強弱の意識も出てきて音楽表現が少しずつ出来上がってきた印象。
恐らくあとは歌詞の意味とそれが創り出しているメロディの形を、よりその意に沿ったイメージで歌えているかどうか?
ということに尽きるだろう。
どういう姿勢でこの曲を歌うのか?あるいはこの言葉を語る人はどのような意識、気持ちで歌っているのだろうか?
そういう想像力を良く尽くして歌うことである。

フォーレの歌曲「蝶と花」
そろそろメロディの形は覚えたので、もう少し積極的に前向きに歌えると良いと感じた。
それは結局フランス語歌詞の語り口の問題なので、歌詞をよく読みこむ練習に尽きると思う。
すらすらと読めるようになって、初めて歌う練習に臨んでほしい。

ベッリーニ「夢遊病の女」から「ああ!信じられない」
ほとんど言うべきことが無い集中力で歌い通すことが出来ていた。
特にレチタティーヴォの強さとアリアの切ない弱声によるフレーズ感が良かった。
惜しいのは、最後の詰めの部分で、ブレスがやや余計な感じがしたこと。
落ち着いて確実に、フレーズを意識して歌うこと。
上行フレーズはアッチェレ気味に上がって、最高音で伸ばすと効果的である。

MMH

発声練習は母音でアルページュと子音付きのスケールなど一通りで、高音は6点Cまでの2オクターブを練習した。
最高音域は喉が締まり気味だが、力みがないので良しとした。

コンコーネは伴奏のテンポ感に左右されるが、上手く弾ければ優雅な3拍子を表現できるだろう。
6拍子だが形は舞曲の3拍子。
低音に降りる際に響きを落とさないように、また逆に中高音で声を張る際にピッチを高く意識しないとこれも♭に鳴りやすい点を注意。

ドナウディの「限りなく優雅な絵姿」
声がファルセット的に中途半端な響きになってしまうのは、弱声を意識するからであろうか。
響きが密にならないため結果的にブレスが苦しくなるようであった。
そこで口を開けたハミングによって響きを統一した。
ピッチも高く意識するように。

この場合、口の開け方としても彼女の想定した感覚よりもさらに下あごを降ろすべきだろう。
そのことで声帯が適度に太く良く閉じた発声になるからである。
また鼻腔が無意識で使えるために、中音域でピッチの良い響きになる効果もある。

ハミングで上手く行ったらそのまま母音に変換して母音で練習して、最終的に歌詞で歌うという練習になった。
O母音やA母音の場合、ちょっとした跳躍音程時に下あごを動かさないことは、声の音程感と響きにとって重要な方法である。

ヴェルディの「オテロ」からアヴェ・マリア
これも弱声を意識するために、かえって口先の声の響きになりがちだったので、声量をかさ上げしてもらった。
響かせようとすると、呼気を強く使ってしまうが、これは腹筋を強く張って保持することで、息が出過ぎないような抑制をすることが出来るであろう。
喉は響かせる状態にしておいて、呼気で強くアタックしないことが肝要である。

この曲の場合の最後の最高音は、口を閉じないで開けることで、お腹の付いた弱声発声をしやすいはずである。
もちろんお腹は前述の腹筋で保持することが重要であろう。

ドビュッシーの「星の夜」
全体にふんわりと柔らかく歌えるようになったので、当初のこちらの指示を忠実に守って歌えていると言えるであろう。
今日は特に高音に向かうフレーズで、弱声のあまりに喉を閉めないように解放するように指摘した。
Jeと発音しながら口を縦に開けて、高音のReveを出す際には開けた喉を閉めないようにRを発音するという具合である。
そのためには舌先を柔軟に使ってやる必要がある。
同じフレーズでの弱声にする場合は、腹筋をしっかり使って呼気の勢いで喉をあたっくしないようにすること。

「静けさに」
前半から中間部は練習を繰り返さなかったがどうだろう?
微妙な和音感と声とのハーモニーを充分意識して歌ってほしい曲である。
最期のVoixの歌い方だが、二重母音的にVowaのOを本の少しだけ入れて音程が決まると良いだろう。
このフレーズの最後のDesespoirのWaの響きもそのピッチと響きには十分こだわってほしい。
最期のLe rossignol chanteraの最後のAは、低音だがブレスを入れて歌うため、良く響かせた方が効果的だと思った。