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新型コロナウィルスの自粛で彼女は4か月ほどもご無沙汰していたが、声はとても調子が良かった。
発声練習では、高音の切り替わりが奇麗に決まっていて、彼女らしい無理のない良い高音発声が決まっていた。

低音発声の練習として、口を開けるハミングを練習したが、やはり彼女の課題は鼻腔共鳴が足りないこと。
軟口蓋の使い方にもう一歩の工夫があると、恐らく低音の声の通りがもっと良くなると思う。

実際の曲では、モーツアルトのコンサートアリアを練習した。
最高音の声質よりも、換声点に達する際に、換声点の直前くらい5点Eで、喉が上がった声になってしまう件。
これは注意してほしい。

これは特に低音域からこの音域に跳躍する際に起きやすい現象。
跳躍して上の声を出す際に喉に声を少し飲みこむような意識を持つと良いだろう。
よく言われるように、喉を下げるということ。

サン・サーンスのAve Maria
かなり速いテンポで譜読みしたようで、速すぎだった。
Andantinoというリズムを尊重してほしい。

4小節を一つのグループで一息で歌えるテンポであることと、ゆったりした感じを持たせること。
Gratiaのtiはツィと読むこと。グラツィアである。

Et in horaのinとhoraは、リエゾンしてhは無声子音なので、イノーラと読むこと。
Nostaeの語尾は二重母音ではなく単母音化してEと読むこと。
テンポゆったり目なので、最後のフレーズ長いから、Oraの後を短く切ってカンニングブレスして、Pronobisを一息で歌ってほしい。