先日の発表会では、器楽演奏だけICレコーダーにも同時録音していました。

外付けマイクをマイクスタンドに立てて、きっちり録音したので、とても良い音に取れていました。

そうやって改めて動画ではない音楽を聴いていると、音楽が垣間見せてくれる独特の深い味わいが感じられ、えも言われない幸福感に浸ることが出来ました。
PCやテレビ画面で動画を見る楽しみも良いのですが、どうも見た目に左右されてしまい、音楽の音そのものが持っている快感の深い部分が消し飛んでしまう気がします。

思い起こせば、自分たち若いころはビデオ動画で演奏を見るなんてことは希少なことでした。
ほとんどがレコードです。せいぜいカセットやオープンリールでしょうか。

そういえば、この感覚はラジオで聞く朗読と似ているな、と思い出しました。
朗読もそうだし、落語もそうです。
若いころ、車に乗りながら夜のドライブのラジオで聴く朗読というのは、これは何ともシュールな快感を感じたものです。

つまり、動画を見てしまうと、音から想像する部分が鈍磨してしまうのだと思います。
いやそれなら本物のステージもヴィジュアルに左右されるのではないの?と言われそうですが、本物のステージは生身の人間のオーラと音が醸し出す立体的な音楽は、録音や録画と同列には論じられません。

時代と共にますます目に見えるものだけしか信じられなくなっていないか?あるいはすでにそういう状況になっている、と感じています。

ともあれ、音だけを聴いて想像を巡らせるという感覚を久しぶりに思い起こして、懐かしいと同時に、若いころには判らなかった新しい感動を味わった気がしました。