ST

発声練習をやって、コンコーネ13番から始めました。
概ね良く歌えていました。2点Dがそろそろ声の切り替えのバランスを要求される音程ですが、上手く対処出来ています。
ただ、2点Eの響きが抜けが悪いです。
軟口蓋の使い方が、まだ中途半端なようです。もっと良く上げることで、息の通りが良い感覚を探してください。
あるいは、声を出さないで息を吐く練習(軟口蓋に息を当てる練習)を良くすることが役立つでしょう。

全体に声量が控えめなのも、この息を吐く力が弱いからだと思います。
喉をかばう面があると思いますが、顎を上げない姿勢を決めて、喉が上がらないポジションを良く意識して、軟口蓋から声を出し始めるようにすれば、大丈夫です。
怖がらないでトライして下さい。

ドン・ジョヴァンニのドンナ・アンナのアリアから。
レシタティーボで音程の決まらない箇所が何箇所か。
チェンジ直前の音域であることとが大きいですが、歌詞をもっと言葉として発音出来ることで、かなりの確立で回避出来ると思いました。

これらの特に5線の中のチェンジ前の音域で音程がしばしば♭になる原因は二つあります。
一つは歌詞発音の中でアクセントを意識しないこと。アクセントを意識出来れば軟口蓋は開くはずです。
アクセントを意識しない、ということは、イコール言葉を意識しないがために、息が自然に吐けていないということです。
歌声発声には関係ないように思いますが、実はそんなことなく、歌声の発声にとても関係があります。

もう一つは、下降形の際に響きを落としてしまうことにあります。
声の出具合に対する意識を変えるしかありません。
何となく声の響きを出していると、下降形フレーズの場合は、大体が1点bから下の音域で♭になり易いのです。
声が微妙に下側にチェンジするからです。
この点、充分に気を付けて下さい。

アリアのパートは、前回同様、高音チェンジ後はほぼファルセットで対応できていますが、それにしても、最後の最後はさすがに
喉が上がって苦しそうです。
同じファルセットでも、喉が上がらないように口を開け過ぎないことや、唇を良く使って発音すること、顎が上がらないように姿勢に気を付けることなどで、ファルセットでも支えのある発声が出来るようになると、ぐっと楽になると思います。
今後は、その点を練習して行きましょう。

OM

コンコーネOP15 から13番を一通り通して、直ぐに歌の練習に入りました。
13番は、基本的な音楽の表現は出来るようになりました。

これらの古典的な音楽表現による、練習曲を勉強する時、改めて曲の構造をアナライズするのも意味があるでしょう。
モチーフの単位は何小節か?形式はどう言う形式か?
そのことで、言葉でしゃべって人を説得するような感覚が、音楽の中から見えてくればしめたもの!です。

ドビュッシーの「抒情的散文」から「花」を通しました。
フランス語の読みが、カナも発音記号もふらずに読めるようになったのは大きな進歩ですね。
それでこそ、フランス語の歌をやっていると大きな顔が出来るというものです。

通して見ましたが、譜読み上の問題点はありませんでした。
フランス語の発音も、おおむね間違っていません。
ただ、この曲は声使いに重さが少し必要です。また高音のフレーズも、しっかりした太さがほしくなる曲です。
どちらか?といえば、プッチーニなどのアリアと同様の声をイメージしても良いでしょう。
今回は、冒頭の1ページだけ良く練習しましたが、中低音の声にも少し芯を混ぜるように意識してもらいました。
息漏れのない声、ということでも良いですし、あるいは、曲調に合わせた表現とも言えます。
発声の問題、と捉えるならば、重い声の使い方と考えてもらって良いです。

この曲は後で再度練習しましたが、その前にモーツアルトのコンサートアリア、Ah se il crudel periglio.

レシタティーヴォは、そろそろイタリア語のアクセントを活かしてParlandoに処理出来るようになってほしいです。
これは、勉強のためというよりも、そうすることが楽しいからです。
声楽作品を歌う楽しみは、単にメロディを声にすることだけではなく、外国語を歌うことにある、と思ってほしいです。

その意味は、日本語とはまったく違う発音感覚を身に付けて自在に出来るようになること、にあるわけです。
ただカタカナを振っただけの発音では、そのグルーブ感覚は得られないのです。

メリスマの対処が、徐々に上手くなって来ました。音程感も明瞭になり粒も立つようになって来た、と感じられます。
この調子で、更に練習を重ねて、技術を盤石なものにしてください。