TF

発声:

ドナウディ
Spirate pur spirate
Amorosi miei giorni

この二曲では、徹底して声の出だしで、声を前に出すことを教えた。
声の出し始めで喉を下げる癖が強固にあるため。
確かに強い響きが出るが、それがために音程が♭に聞こえること。

具体的には舌先を意識すること。
下より前に声の響きを出すこと。
口奥の共鳴、軟口蓋の共鳴は意識しない方が良い。
なぜなら、そのことで喉の悪い緊張が起きる。

また、低音発声は地声は禁物。
なぜか?地声で出だすと切り換えることになるため、喉のポジションが動き易いため。
たとえばAmorosiは1オクターブである。当然上側の声のポジションを低音発声時に意識出来ていなければならない。
いずれにしても、声の出し始めで舌で喉を絶対に押し下げないことが急務である。

フランク
Panis angelicus
こちらは、徹底して細く小さい声を狙った。これも特に母音Aでは、声を前にEのように出すこと。
そして支えのある範囲で、極力小さく出すこと。
元々、繊細な響き、小さく芯のある声があれば、充分表現の叶う曲である。

Ave verum corpus
これも、Panis angelicusと、発声は同じである。
前に細く小さく当てること。特に声の出し始めは、発声を繊細に扱うこと。
最初の2点Cは、音程をはっきり出そうとすると太く当るから、柔らかく高く軽く軽く当てておいて、跳躍した2点Fを前に軽く当てるように。その際に下顎を降ろさない。
最後の有名な長いフレーズ。InmortisのIの入りも同じである。Morの母音Oは、注意し過ぎてし過ぎることはない。Oは、舌で喉を下げやすいからである。