OM

ヴェルディの歌曲から、Il tramonto そしてLa zingaraの2曲を練習。
換声点の声に注意を。
5点Fになるが、喉を上げないように奥に入れるように。

いずれも、コンコーネを練習するつもりで、理屈抜きで音楽に慣れることが目的です。
ヴェルディなど、その後のイタリアのオペラアリアのエモーションに基になる要素が、歌曲の中にたくさん詰まっていますから。

ドビュッシーの「抒情的散文」から「砂浜」を練習しました。
とても良く歌えています。
彼女が歌うこの曲では、イタリアもので欠点になる声の要素が、長所になる面があります。

この意味で、ドビュッシーの声楽作品は、現代的である、と言えるのかもしれません。
ヴェルディの歌曲で、ロマン派的な声楽の基礎スタイルを身に着けてもらうことと、どう折り合いをつけるか?
考えると難しいので、とにかく今のうちにやれることはやれるだけやっておいて損はない、と思うべきなのでしょう。
イタリアのオペラアリアを歌う以上は、ヴェルディのスタイルは覚えておくべき基礎と思いますので。

好きこそものの上手なれと言いますが、ドビュッシーのこのような作品への音楽理解の高さは、貴重な資質だと思います。
であれば、あとは詩の内容のイメージと言葉をどうすり合わせて行くか?ということが、今後どれだけ出来るか?

というのも、可能性を感じた点は、歌詞の朗読をしてみましたが、以前に比べ、すらすらと滑らかに読めたことに大きな進歩を感じたからです。
更に進歩するためには、やはりフランス語の文法を勉強して、自分である程度訳せるようになることです。

例えば、出だしの歌詞は、Sur la mer で始まりますが、海の上に・・・がすぐにイメージされるか?Surという言葉に海の上を感じているか?
そう思って言っているか?というようなことです。
彼女にしてみると、途方もないことのように思うでしょうが、積み重ねれば必ず出来るのは、声楽よりはるかに容易なことだと思います。
ただし、やろうと思うか思わないか?なのです。

言葉というのは、音楽とまったく相容れないようでいて、音楽の根幹をなすものだ、ということ。
作曲家にとって、歌曲作品が出来るためには、詩が与えるインスピレーションが大きな要素として存在していること、を知ってほしいのです。
ということは、プレイヤーはその詩の理解を深めなければ、真の良い演奏が出来ないはずだからです。

最後にヴェルディの「椿姫」から「ああ、そは彼の人か、花から花へ」を通しました。
高音発声は、とても良く研究されており、またそのテンションの高さには感心します。
ビブラートもついて、とても良くなりました。

気を付けてほしいのは、中音域、5線の中の音域の発声に気を付けてください。
特に、後半の「花から花へ」になると、中音域の発声がラフになり、口先で歌う生の声になってくるからです。
喉を開けて、軟口蓋で母音発声が出来るように。
下あごをバクバク動かす母音発声にならないように、注意して発音・発声することで、ノーブルな歌のスタイルを確立してください。